バンビのあくび

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サンプル+青年団『地下室』を観ました

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サンプル+青年団『地下室』を観てきました。
 
 
今年2度目の三重県総合文化センター小ホール。
席が2列目のど真ん中だったので、細かいところまで見えてなかなか面白かったです。
 
 
東京の環状線と高速道路に挟まれた場所にある小さな自然食品の店。
そこに住んでいる店長と息子、そして店員たち。
彼らはその場所で小さな共同体を形成し、「水」や自然食品を販売し、自給自足の暮らしをしている。
「水」を作っているのはその店の地下に住む息子である。
ある日、一人の女の子が働きたいと店を訪れる。
息子はその女の子と出会ったことで、「水」を作れなくなってしまう。
「水」は枯れる。
彼らの生活はゆっくりと崩壊していく。
 
 
以下ネタバレ含みます。ご注意を。
 
 
この作品、見終わった時にかなりの人が「気持ち悪かった」と思ってしまう要素をたくさん含んでいる。
ただ不快でありながら不快でない。
 
最初はわりと普通の人かと思っていた人物も次第に何処か不思議な顔を出し始め、「なんだ。全員どこかおかしいんだ」と気づいた時から共に地下へ落ちて行ったかも知れない。
 
疑似家族の中で見出す幸せはどこか歪んでいる。
 
「水」を作り出すことの出来る息子と擬似家族のママの関係がなんとも言えない。
ママが度々口に出した「おしぼり」ってそう言うことか…と思ったらまたちょっとんぐぐ…と気分が悪くなった。
カルト的雰囲気で店長と儀式をすることに喜びを感じるとか、嫌だけど実際あるんだろうなーと思ってしまう。
 
取引き先の人として店にやってくるサラリーマンを山内さんが演じているのだが、これがまた嫌味っぽくてムカムカして腹が立ってくるぐらい素晴らしい。
でもこんなオヤジは確実に存在するんだ。
 
 
「リサイクル」や「シェア」って言葉は今まで何とも思っていなかったけど、この作品で使われると気持ち悪いなぁと思った。それもこれも歪んでいるからであろう。
 
 
とても作られた話なんだけれども、実際ありそうな気がどこかでしていて居心地が悪い。
ラストは光や希望なのか、それとも更に地下へ潜るための幕開けなのか私にはわからなかった。
 
あれを光と言ってしまっても良いのかなぁって。身を寄せ合う者には幸せなのかも知れないけど。
 
 
そんな感じに気持ちの悪い作品だ。
 
 
「水」の原材料が何かも明かされているんだけど、それ聞いちゃうとこの先、水を飲む時はちょっぴり躊躇してしまうことだろう。。
 
 
 
 
 
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こっちは新興宗教にハマるお母さんの映画でした。