バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

バレーボールをしていました〜高校編~その3

 

なんとか地区予選を勝ち抜け、県大会への出場が決まったM女子高。

 

県大会を2週間後に控え、動きを確かめながら再度練習に励むはずだったのに、ここで思わぬ事態に見舞われた。私と同じポジションであるタロー先輩が足の怪我のため、医者から全治1か月と言い渡されたのである。

・・えっと、県大会は2週間後ですよ?間に合わないじゃん!!

私、タロー先輩と同じポジションだから・・・私が出るのか!

 

「タローが出られないからな。この2週間はお前のための練習だ」

 

O先生は静かにそうおっしゃった。

ブルブルと震える私。こぇぇー!

でも、そんなことを言ってる時間もないので「あ、私は倒れるまでやるんだな」と覚悟を決めた。

 

以前にも書いたのだが、私は運動が得意で体育の成績もほぼ10だったけれど持久力がなかった。致命的に体力が足りないのである。

学校行事の10㎞を走るマラソン大会ぐらいなら入賞(700人中20位くらい)できた。10㎞なんて1時間もあれば完走できるのだが、部活での練習はそんなもんじゃないし、通常の練習でさえも終わる頃に足元ふらふら~となってる時があった。

練習の締めはだいたいサーブ練習だったのだが、自分がサーブをしてない球拾いの時間はたいてい体育館で練習しているバスケ部との仕切り代わりになっているネットにつかまってギリギリで立っていたりした。

なるべくバレないようにつかまってるのだが、マネージャーの先輩が「先生が休めって言ってるよ」と言いに来てくれる時があったのでバレバレだったのだろう。まあ、そう言われて「はいはい、そうですか」と休むタイプでもないのだけれど。

 

そんな私が、2週間「私のための練習」をみっちりされるのはとてもキツかった。

レシーブが得意ではなかったので、レシーブだけで1日が終わる時もあったし、F先輩のトスとの連携ももっと密にしなければいけなかったし、ただただ必死なまま時が過ぎていった。

当然ながら高校生なので、毎日授業も受けているのだが、寝ていたのであまり記憶がない。

ウチの学校は授業中寝ていてもそこまで怒られない。

「授業で寝るのは自分がわからなくなるだけだから良いんです。ただし、私語はやめなさい。周りに迷惑がかかるから」

という学校だった。なので、どの教室もビックリするほど静かだったため、運動部の子が寝るにはもってこいの授業時間だった。(あ、いや、寝ないのが一番良いんですよw)

昼間は寝て体力を温存し、放課後、一気に使い切る。そんな2週間だったように思う。

 

さて、いよいよ県大会の日がやってきた。

地区大会はどこかの学校が会場になるのだが、県大会は大きな体育館で行われることが多かった。会場に着くだけで気持ちが引き締まる。

周りにいるチームは皆、地区大会を勝ち上がってきているので、なんだか強そうに見えた。

全員がスポーツ刈りのチームを見ては「あれ?女子の大会だよね?」とみんなで確認し合ったりした。すごいよね、あれ。もう男の子にしか見えないもん。かっこいい。

私達のチームは髪型なんて自由で私もロングだったし、見た目的にかなり弱そうに見える部類だったと思う。

 

1回戦の相手はあまり知らない高校だった。ここには問題なく勝てた。

2回戦の相手は名前こそ知っている高校だったが、特に危なげなく勝つことができた。

 

そして3回戦。相手はS高校であった。S高校は地区が違う学校で、練習試合も全くしたことがなく、どんなチームかよくわからなかった。2回戦でのS高校の動きをチェックしてくれていた先輩の情報によると、とにかく拾ってつなぐチームらしいということがわかった。

 私にとって一番イヤなタイプのチームである。

 「とにかく拾ってつなぐチーム」は一番持久力を要するからである。*1

試合前の公式練習をみても特に目立ったすごいスパイクを打つ人は見受けられなかった。掴みどころがない分、なにかありそうで怖かった。

 

試合開始。

序盤は点を取ったり取られたり。シーソーゲームのように進んでいった。

中盤を過ぎた頃から、明らかにコートの空いている所にフェイントしたりブロックアウトを取りにいっったり…とガツンとしたスパイクはないものの知らぬ間にS高校点を重ねていった。

こういった点の取られ方が1番痛い。

細かく動き、神経を尖らせてもボールが床へ落ちる。そして、てん、てん、てん…と転がっていくのだ。

1セット目はS高校が取った。悔しいとか言う前になんだか呆然としてしまった。

ああ、こういう攻め方もあるんだなぁって。

私は中学の時の試合経験が少ないものだから、色んな攻撃のしかたをするチームを目の前で見ることがなかったのだ。

 

気を取り直して2セット目。今度は上手く波に乗れたようで私達のチームが奪取した。

 

そして3セット目は相手サーブから始まった。そのサーブは私の所へ飛んできた。ゆっくりとレシーブで上げる。セッターがトスをあげて、アタッカーがスパイクを放つ。

だが、S高校は拾う。そしてエースがスパイクを打ってくる…。

この動きを繰り返しているうちに「あれ?私は狙われているんじゃないか?」と気づいた。

ただでさえレシーブは得意ではないのに、3セット目で動きが鈍い。そして試合経験の少なさからくるムダな動き。それらが全て相手には見えていたのだと思う。私が一生懸命やろうと思えば思うほど、気持ちだけが焦りミスも出始めた。

スパイクを打とうとした時、いつも練習している体育館より天井が高いため、手とボールの位置関係が一瞬わからなくなったのである。

「ちょっと待て。落ち着け、私」

自分に言い聞かせてみるも、私は自分を立て直すことが出来ず、結局3セット目を取られてしまったのである。

負けた。どう考えても私の経験と力不足だと思った。

やはり試合経験は必要だと思った。タロー先輩に遠慮している場合ではない。

「レギュラーを取りにいく気持ちでやろう!」

と、この時思ったんだ。

 

 次回。バレーボールをしていました〜高校編~その4。お楽しみに~♪

高校2年生になって更にバレー漬けの日々になりました。 

 

関連記事:

 

バレーボールをしていました〜小学校編 - バンビのあくび

バレーボールをしていました〜中学校編~その1 - バンビのあくび

バレーボールをしていました〜中学校編~その2 - バンビのあくび

バレーボールをしていました〜高校編~その1 - バンビのあくび

バレーボールをしていました〜高校編~その2 - バンビのあくび

 

 

ハイキュー!! 10 (ジャンプコミックス)

ハイキュー!! 10 (ジャンプコミックス)

 

 

ハイキュー!! 11 (ジャンプコミックス)

ハイキュー!! 11 (ジャンプコミックス)

 

 

*1:『ハイキュー!!』で言うと音駒みたいなチーム