ライブ帰りの日曜日。
新幹線を降り、在来線が来るのを待つ間に駅のトイレへ行った。22時30分くらいだったと思う。
用を足して手を洗いに行こうとすると、向こうから5歳くらいの女の子が行進をしているかのように両腕を大きく前後にぶんぶん振りながらやってきた。
「あらあら、こんな時間なのに元気で面白そうな子だなー」とフフッと顔を緩めながら私は手を洗い、トイレから出た。
トイレのすぐ前には公衆電話があった。
「最近、あんまり見かけなくなった気もするけれど、こんなところに公衆電話があるんだねー」と息子と話をしていたら、先ほどの女の子がトイレからずんずんと出てきた。
女の子も私達と同じように、公衆電話があることに気づいたようだった。興味深そうにジロリと電話を眺めると、そっと受話器を手に取り耳に当てた。
「もしもし。聞こえますか?」
勝手に私の口から言葉が出ていた。
女の子は「ん?」と一瞬、受話器から耳を外し、周りを見渡した。
「もしもし、聞こえますかー?」
私はまた同じ言葉を繰り返す。
女の子は私に気づいた。そしてニヤリとしてまた受話器を耳に当てた。
「もしもし、きこえますー♪」
「遅い時間だけど、眠くないの?」
「さっきまでねてたからねむくないですー」
そんな何でもない会話を2人で繰り返した。
いつの間にかもう一台ある公衆電話をその女の子のお兄ちゃんが使い始め、
3人で「もしもーし」「あのね・・」と電話ごっこ。
私はリカちゃん電話気分*1を十分に楽しんだのであった。
横にいた女の子のお父さんはぽやっとした顔をしながら、そんな光景を眺めていた。
日曜日の夜の駅は閑散としていたけれど、とても気持ちが良かったよ。
***
私は面白そうな子どもを見ると、ついつい構ってしまいたくなります。
最近、「あれ?私って子どもが好きなのかも?」と思い始め、友達に話したら「え?今更って感じだけどw」と返されたので、少々びっくりしました。
私って子ども好きに映ってました?
小学生の時、知り合いの5歳くらい年下の女の子にものすごく好かれてしまい、どこに行くにも着いてこられたことがあります。さすがに「ちょっとめんどくさいなぁ・・」という感情が芽生え、そこから「あ、私はこんな感情があるから子どもはそこまで得意じゃないかも」とずっと思っていました。
ですが、保育園で働いている時に保育士でもない私に色んな子が話しかけてくれ、「えこ先生」と言われ、私にしかお皿を渡してくれない男の子もいて「なんだか子どもって面白いなぁ」と徐々に興味の対象になりました。
大人ではあまり思いつかない仕草や行動に感心したり、ポツンと1人でいる子が何を見つめているのかそっとのぞき込んだり。
この子達の目には世界がどう映っているんだろう?
子どもからみた大人ってなんだろう?
そんな事を思うようになりました。
次第に街中や至る所で「面白そうな子どもを見ると構いたくなる病」が発症するようになりました。
だってね、だってね、私の期待以上の反応をしてくれるのよー!
私があまりに他の子どもと仲良くなったせいで、娘が焼きもちを焼くこともしばしば。私の膝の上に座り「私のお母さんなんだから!」と言わんばかりの表情をしたことも一度や二度ではありません。。すまん、娘。
私にこれと言った特技はないのだけれど、「子どもと仲良くなれる」はある意味特技かも知れないなとそんなことを思ったのです。
※この絵本、おススメです。
子どもの頃の自分を思い出しノスタルジーな気分に浸れます。
赤色が効いてる絵も素敵♡
*1:現在もリカちゃん電話はあるようです。公式ホームページによると、03-3604-2000 です。