バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

2015.3.9 〜自ら掴みにいく。前傾姿勢で!

あまり気分の乗らない週末だった。

家に籠っていたいなぁと思ったりもしたけれど、やっぱり外の空気もちょいと吸わないとねなんて思い直して、車に乗って出かけてみた。

まあ、こんな時はとりあえず大好きな絵本にでも触れましょうと子どもの本屋「メリーゴーランド」を目指す。そう言えば今月はまだ来ていなかった。いつものように赤い取っ手のドアを押して中へゆっくりと入る。

一瞬の静けさの後に、いらっしゃいませの声と子ども達の声が聞こえてきた。新刊コーナーをさっと見てから、地元紙や大人向けの本を眺め、棚の至る所に目を向けた。すると、TEA ROOMの入口近くの本棚にみかん箱ぐらいの四角い木の箱が置いてあることに気づいた。

木箱にはポップがついており、「頑固堂書店」の文字が書かれていた。

メリーゴーランドのTEA ROOMでは度々、絵本の原画展などが開催されている。だが、特に展覧会を行っていない場合はそこの棚に「頑固堂書店」と言う名の古書店が現れるのである。その頑固堂書店の本がTEA ROOMを飛び出し、本屋側にも木箱でどーんと出されていたらしい。

何気なく、箱の中を覗いてみると、なんと、私が欲しいなぁと思っていた本があったので思わず目を見開いてしまった。今日は気分が乗らないと思っていたけれど、いやいやとんでもない。もうあたし気分上々ですわー!とにやにやしながら本を手に取った。

その本がこちら。

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萩原朔太郎の「猫町」、夏目漱石の「夢十夜」。

これの何が素晴らしいって版画家である金井田英津子さんの挿絵の魅力だ。金井田さんの挿絵にあまりにも惹きこまれてしまうため、絵本と思ってもらった方が良いかも知れない。

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このシリーズ、内田百閒の「冥途」はすでに持っていたのだが、猫町夢十夜は「あとで買おう~」なんて思っているうちになかなか出会えなくなってしまった。

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そうそう、今回購入したこちらの2冊は自由価格本となっている。

元々パロル舎から出版されていた本になるのだが、パロル舎倒産により絶版となってしまった。その後、長崎出版が再販を始めたため、私はその時に「冥途」を購入した。だが昨年、その長崎出版も倒産してしまい、自由価格本となっているようなのだ。

この本がまた再販されることはあるのだろうか?

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このシリーズでまだ井伏鱒二の「厄除け詩集」だけ手に入れていないのが惜しい。厄除け詩集、欲しいだよ。どこかに転がっていないだろうか?(笑)
 
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だが、私の行動範囲の中でこの2冊を手に出来たことだけでも巡り合わせと喜ぶべきだろうな。
メリーゴーランド様様である。
そう言えば、メリーゴーランドで児童書コーナーをざざっとみていたら、児童書と児童書の間にさりげなく「ドミトリーともきんす」があって笑ってしまった。そういうところがね、本当に好き。
 
児童書は児童…つまり小学生ぐらいの子が読んだら良いだろうなぁってな感じの本であり、絵が多いとか字が少ないとかそういうのはあまりこだわらなくていいんじゃないかと思う。
逆に児童書として扱われている本の中には良いおばさんが読んでもググッときてしまう本もたくさん存在している。言葉が平易なだけ。
 
絵本も侮ることなかれ。
 
だから私はいつまでたっても絵本の森から抜け出せないのです。
 
 
 


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空に星は広がれど、雨雲に覆われて一つも見えないよ。