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バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

お祭りへ行ったはなし

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日曜日にお祭りへ行った。

息子は義母とと出かけていたので、娘と一緒に行った。
車を駐車場へ置き、歩行者天国の道を目指して歩いていく。視覚と嗅覚、どちらが勝つかしら?と思ったけれど視覚の圧勝で、露店が見えてくると娘のテンションがググッと跳ね上がった。娘はハァハァと舌を出した犬のようで今にも走り出しそうだった。「まだここはね、車が通る道だから」私が言った言葉でなんとかスキップで抑えてくれた。足取りのかあるいスキップ。
 
「お祭り行ったら、ミナちゃんに会えるかなぁ。会いたいなぁ」
娘はスキップをしながら笑顔で言った。
ミナちゃんは保育園の時のお友達で娘とは違う小学生へ通っている。昨年、このお祭りでたまたまミナちゃんに会ったので娘はそれを思い出して言ったのだろう。お祭りは土日の2日間行われており、ミナちゃんが来るかどうかもわからない。会えたらいいねと思ったけれど、なかなか難しいかも知れないなぁとも感じていた。
 
歩行者天国の道へ入り、周りに立ち並ぶ露店に目を輝かせている娘。
「なに、食べる?」「最初はチョコバナナ!」
ピンクのチョコでコーティングされたチョコバナナを選んだ娘は早速カプッとかじりついていた。歩きながら他のお店も見ようと西へ向かい歩き出した。人にぶつからないように、はぐれないようにしながらピンクのチョコバナナを目印に手をひいた。
「あ、ミナちゃん!!」
娘の声に反応し、目を凝らすと、向こうからミナちゃんとミナちゃんのお母さんが歩いてきたのがわかった。
「久しぶりー!」ミナちゃんのお母さんと挨拶をしてすごいね、偶然だねと2人で驚きあった。ピンクのワンピースにピンクのチョコバナナを持った娘と、白いコートに白い綿あめを持ったミナちゃん。お互い嬉しいのだろうけど、しばらく会っていなかったので照れているようであった。
ミナちゃんと別れ、また露店を覗きながら歩いていく。お寺の境内にも足を踏み入れ、キョロキョロと周りを見渡した。お好み焼き、焼きとうもろこし、唐揚げ、フライドポテト、はしまき、イカ焼き…色んなにおいが混ざり合い、その混ざったにおいがお祭りのにおいだ。人々のざわめきと露店の灯り。どこのお祭りへ行っても少しだけ懐かしさを感じてしまうのは、これらが上手く融合しているからなのであろう。
 
いくつかの食べ物を買い、何人かの娘の友達に会った。
「さて、そろそろ帰ろうか」と娘に声をかけ東へ向かって歩き出した。しばらく歩くとたこ焼き屋さんがあったので、息子へのおみやげにすることにした。列に並び、順番を待つ。ひとつ、またひとつと売れていく。鉄板の上にあるたこ焼きの数と私の順番をにらめっこしたら、ギリギリ購入出来るかなという感じであった。だが、そんな時に限って前の人が「3つで!」と言ったのだ。まあ、そんなもんである。私はすぐに「次に焼き上がるの待ち」気分へ切り替えたが、私より肩を落としたように見えたのはたこ焼き屋のお兄さんだった。私と、その後ろにもう1組並んでいたので、そこまでたこ焼きが上手く回ると思っていたのだろう。お兄さんはふぅっと息を吐いてからまたたこ焼きを作り始めた。たこ焼き用の鉄板の上に生地を流し込む。ジュワッと音を立てた生地の上に大きなタコを手際よく並べていく。
私は娘にたこ焼きの実況をしていた。ほら、生地がジュワッとして、ほら、大きなタコが入った!
娘は私の声を聞きながら台の上に置いてあった切られていないタコの足を見て「これをかじりたい!」と言った。それ、たこ焼きちゃいますやん……。
後ろに並んでいた若い男女はずっと鼻毛の話をしていた。女の子が「鼻毛は男の人しか伸びないと思ってたの!」と言い、それに対し軽く相槌を打つ男の子。なんだか面白かった。
そんなことを思っているうちにたこ焼きが出来上がった。
「待たせちゃってすみませんね」
「いえいえ、たこ焼きが出来上がるの面白かったですー。でもずっと焼いているのは暑くて大変ですね」
「いやぁ、脱ぎたくてもこれ以上脱げませんからね。ははっ」
焼きあがったたこ焼きを受け取った。
「お姉ちゃん、そのゴミちょうだい。捨てておくから」
ゴミ箱がなかったため、持ち帰るつもりでいたゴミにお兄さんが気づいてくれた。娘はお兄さんにゴミを渡した。
 
「ありがとう」
 
焼きたてでアツアツのたこ焼きを手にぶら下げ、跳ねるように東へ向かった。
気持ちもあたたかく。
ぱらりと雨が顔にあたったけれど、ひとつも冷たく感じなかった。
 
 
 
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