バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

はす向かいのキミを眺めている

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車の中で流れていた曲の「はす向かいの家」と言う歌詞を聴くたびに、その響きに心を掴まれる。

「はすむかい」は漢字で書くと「斜向かい」。文字通り「ななめまえ」を意味する。

こどもの頃、新聞配達の順路帳を目にする機会があった。順路帳は新聞配達をする順に名前と配達する新聞名が書かれており、そこには不思議な記号もいくつか並んでいた。この記号は「順路記号」と言うものである。新聞配達の方はこの順路記号を頼りに新聞を各家庭に配って行く。

順路帳に書かれた順路記号を面白がって眺めていた私の目に「ハム」という文字が飛び込んできた。ハム?新聞配達にハム?何のことだろう?疑問に思った。

尋ねてみると「それは、『はすむかい』のことだよ」と教えてくれた。「はすむかい」の言葉の意味も良くわからなかったので、更に尋ねたら「ななめ前の家」だと。

お隣さんでも正面でもない、はすむかい。良いなって思った。

隣ほど近くなく、正面ほど見えすぎる訳でもなく、その横ってなんだか良いじゃないか。

例えば、6人ぐらいで食事をしましょうって話になって、左右3人ずつ相対するように席についたとする。隣はなんだか近すぎて、良い時もあるけど場合によっては、嫌な時がある。正面は誰であってもなんだか恥ずかしくてあんまり顔を見られない。こんな時は「はすむかい」に座った方の顔をちらちら斜めから見つつ、全体を見渡すのがいい。なんだか落ち着くのだ。

漫画で、お隣同士の幼馴染みが恋人になる設定はあると思うのだが「はすむかい」はないのだろうか?

微妙な距離は人によっては遠すぎるかも知れない。

けれど、これぐらい離れた方が好きって人、いるんじゃないのかな。

近すぎると痛いこともあるでしょう?ハリネズミみたいな、針がちくちく刺さること、あるでしょう?

 

「必要な時だけ近くにいてくれたらそれでいい」

 

謙虚なフリをしたこの言葉は単に我儘なだけだ。

知ってるけど、たまには言ってみたいよね。

 

いつもは「はすむかい」の距離でいいからさ。  

 


indigo la End 「幸せが溢れたら」 - YouTube

 

渚にて

渚にて

 

 

 indigo la Endのアルバムはこれが一番好き。

「1冊の小説みたいに統一された空気感のコンセプチュアルな作品」

何処かにそんな言葉で評されていたけれど、本当にそんな感じ。

延々聴いていられるような、素敵なミニアルバム。

 

 

参考:(順路記号例 http://www.sakata-net.com/junro.html