最近、秋めいてきたためか読書にどっぷりハマっている毎日です。
絵本もパラパラめくっているのですが、そこで絵本に登場する「きのこ」がなんだかとても気になってきてしまったのです。本棚にある絵本の中できのこが登場するものを何冊か選び、そのきのこが何であるかをこちらのキノコ図鑑を参考に調べてみました!
作者の描く絵の雰囲気によって私が勝手にこれが近いかな?と思うものを並べてみました。
自己満足が多分に含まれておりますが、きのこから見る絵本ってのも角度が違って面白いのではないかと思いますよ。ぜひ、ご覧になって下さいー。
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「とりかえっこ」
ひよこさんがお散歩していて、いろんな動物とすれ違う度に声が入れ替わってしまう「とりかえっこ」。様々な鳴き声と、ひよこさんが「わんわん」や「ぶうぶう」と発する可笑しさ、それに加えてしっかりとしたオチまでついているのが魅力的な絵本です。ページ右下がパラパラ漫画になっているのも良いですね。
乳児期に読むのに最適なこちらの絵本、ねずみさんと出会ったページにきのこが登場しています。
それがこちら。
木の根元部分に軸が細い小ぶりなきのこが描かれています。
きのこ図鑑でにらめっこしながら、似たようなきのこを探してみましたら、こちらの「アカチシオダケ」が色合いは白いですけど雰囲気は似ている気がしました。
<アカチシオダケ>
( きのこ図鑑より)
アカチシオダケは毒はないらしいのですが、美味しくないため、食べるのには不向きなようです。山で見かけても眺めるだけにしておきましょう。
ほぼ日のこちらの記事を読むとより面白く感じます。
ほぼ日刊イトイ新聞 - きのこの話。〜食べられるか食べられないか、それが問題だ〜
針を刺すと本当に血が出たみたいですね。火曜サスペンス風音楽を口ずさみながら、試してみたいです…!
「14ひきのひっこし」
いわむらかずおさんの14ひきシリーズの1冊です。 いわむらさんの絵本は野山の風景が詳細に描かれており、四季を感じることが出来ます。微笑ましいねずみの家族が引っ越しをする話なのですが、出てくる植物から秋に引っ越しをしていることがわかります。新しい家の場所を探し、皆で新しい家を作り、これからやって来る冬に備えるのです。
この お話の中で、食べ物(どんぐり、松の実など)を備蓄する風景が描かれているのですが、そこにきのこが登場します。
吊るされているきのこ。これは「シイタケ」と判断して良いのではないでしょうか。
<シイタケ>
(きのこ図鑑より)
シイタケは身近なきのこですから、説明するまでもありませんね。小学生の頃、父が山から木を切ってきて、シイタケ菌を植え付け、自宅でシイタケ栽培をしたことがあります。シイタケが生えはじめ、もう少し大きくなったら収穫しよう!とウキウキしていた日の晩に雨が降り、次の日に見たらものすっごくどでかいシイタケになっていて驚いたことがあります。あいつらは水分をがっつり含むんですね。けど、採れたてシイタケは網焼きで十分美味しかったです。
「ゆうちゃんとめんどくさいサイ」
洋服を着替えるのも歯を磨くのもめんどくさいゆうちゃんは、キバが生えてきて「きばのある子はオオカミさんの家の子のおなり!」とお母さんに叱られます。ゆうちゃんは言われたとおり、オオカミの家へ向かいます。めんどくさがりのゆうちゃんはなんと、オオカミの家も追い出され、その後、オニ、トロルの家にも行くのですが、そこも追い出されてしまいます。ゆうちゃんが次に行き着いた場所、それは「めんどくさいサイ」の家でした…。
「なんでもめんどくさがっていると、こうなっちゃうよ!」という絵本なのかも知れませんが、子どもの頃に読んだ時は「ゆうちゃんはごめんなさいをせずに、ここまで突き進むのかぁ。すごいなぁ」と私は感心していました。ゆうちゃんは行儀の悪い子かもしれませんが、素直な子だと思ったのです。おそらく、大人の立場と子の立場で意見のわかれる絵本のような気がします。
この絵本では、 ゆうちゃんがめんどくさいサイの家にいる場面できのこが登場します。
めんどくさいサイに生えちゃってますから!!
この形に似ているきのこを探してみたら、次の2つが怪しいかな?と思いました。
<スミゾメヤマイグチ>
(きのこ図鑑より)
カサがまあるくて可愛らしい形のスミゾメヤマイグチ。毒性はないようですが、食用として食べられることはほとんどないと書かれいます。つまりは美味しくないってことなのかしら?
<ホンシメジ>
(きのこ図鑑より)
ホンシメジ。シメジですから、何を しても美味しいですよね。身近なきのこの1つと言えるでしょう。
カサが肉厚でまあるい特徴を考えるとどちらも似ている気はしますが、めんどくさいサイから生えていることを考えると、食用ではないスミゾメヤマイグチの方がイメージが近いように感じます。だって、めんどくさいサイから生えているもの、食べる気しないですよねぇ。
「いもむしれっしゃ」
いもむしれっしゃはたくさんの虫達を乗せてガタンゴトン揺られていきます。途中、いもむしれっしゃに危機が訪れますが、何とか無事に乗り越えるのです。
普段、目にするのも嫌な虫であっても、こちらの絵本に出てくる虫達はどれも可愛らしいです。とにかくたくさんの虫が登場しますので、何の虫か当てっこしながら読み進めていくと楽しいですよ。
この絵本にはたくさんのきのこが登場します。
まずはこちら。
「むしがおか」駅のホームにある椅子です。緑とオレンジのきのこってあるのかな?と調べてみましたら、近いようなきのこを発見しました。
<モエギダケ>
(きのこ図鑑より)
モエギダケは綺麗な青緑色のきのこですが、雨に打たれて表面の粘液が落ちてしまうと、黄色っぽくなってしまうようです。青緑の状態で探すのは難しいのかな?どうなのでしょうか。毒があるか詳細が不明なきのこらしいので、食べてはいけません。
<オウギタケ>
(きのこ図鑑より)
むしがおか駅の椅子より赤っぽいですが、何となく座り心地が良さそうな雰囲気だったので、オウギタケを選びました。オウギタケは こんな色ですが、食用らしいですよ!
お次のきのこはこちら。
いもむしれっしゃが踏切を通るページで、カメムシがきのこ型うちわを持っているじゃないですか!
<ベニテングダケ>
(きのこ図鑑より)
色合いから察するに、ベニテングダケで間違いないのではないでしょうか。 ベニテングダケは代表的な毒きのこです。食べると、おう吐下痢などの中毒症状や筋肉の痙攣、一時的な精神の錯乱などが起こるとされているとのことですよ。眺めてだけで満足しましょう。
他にもきのこが出てくる場面がありますので、ぜひ探してみて下さいね。
「くらげりょかん」
おじいちゃんとたけちゃんが山へきのこ狩りへ行き、道に迷ったすえに行き着いたのはちょっと変わった「くらげりょかん」でした。おじいちゃんとたけちゃんはくらげりょかんを満喫し、家に送り届けもらうお話です。くらげ達が可愛くて可愛くて楽しいこの絵本にもきのこが登場します。
おじいちゃんとたけちゃんがお風呂へ入った際、くらげ達はおじいちゃんとたけちゃんのきのこ狩り芝居をしてもてなしたのです。カラフルなきのこ達。さあ、どのきのこに近いか探してみましょう。
<ムラサキシメジ>
(きのこ図鑑より)
薄紫色のムラサキシメジ。色が淡くて素敵。食用のようですが、生で食べると中毒を起こすことがあるようなので、良く火を通した方が良さそうです。
<ソライロタケ>
(きのこ図鑑より)
こんな青いきのこが生えているなんて!と思ったソライロタケ。私が実際に見てみたいきのこリストの上位に入ってます。綺麗ですよねぇ。触ったり、傷がつくと黄色く変色しちゃうようなので、眺めるだけのお楽しみですね。毒があるか不明なので食べない方が良いみたいです。
<ニシキタケ>
(きのこ図鑑より)
写真で見ると作りものみたいに見えるニシキタケ。食べられるらしいですよ。汁物やソースにするんですって。
<モエギダケ>
(きのこ図鑑より)
「いもむしれっしゃ」にも登場したモエギダケ。微妙な色合い。
<ベニヒダタケ>
(きのこ図鑑より)
名前に「ベニ」とついているのに黄色っぽいベニヒダタケ。なんででしょうね?見た目は小ぶりな可愛らしい印象です。汁物に入れて食べることも出来るようですが、一般的に食用ではないようです。
こうやって並べてみると、きのこゴレンジャーみたいだなって思い、1人で満足しました。
が、くらげりょかんに出てくるこのきのこ達は実はきのこではなかったようで……!秘密を知りたかったら絵本を読んで見て下さいね。
「きのこのおうち」
きのこのまちの運動会の準備をするお話です。ありのアーチー・アリを探しながら読み進めていくしかけ絵本になっています。しかけはあまり買わないのですが、表紙のきのこに惹かれて購入しました。アーチー・アリを探すのが楽しいですよ。最後のページに立体的なきのこの家が登場します!
この絵本で気になるのはやはり表紙のきのこですよね。
< ベニテングダケ>
(きのこ図鑑より)
色合いからベニテングダケだと思います。こちの画像のベニテングダケはカサが丸いですけど、もう少しカサが広がったタイプのベニテングダケもありますもんね。
毒きのこに住んでるのかぁ、そうなのかぁ、と思いながら読むと感慨深いです。
- 作者: ベンジーデイヴィス,Benji Davies,上野和子
- 出版社/メーカー: 大日本絵画
- 発売日: 2009/05
- メディア: 大型本
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「きりぎりすくん」
きりぎりすくんが旅に出て様々な虫と出会うお話です。あおむし、いえばえ、か、ちょうちょう、とんぼ…皆、変わっているけれど、旅に出ると色んな人に出会える楽しさがあることが伝わってくるのです。きりぎりすくんの旅を通して、これから自分が進んでいく未知なる世界への一歩がほんの少しラクに踏み出せる気がします。
きりぎりすくんが、ちょうちょうと出会った場面できのこが登場します。このちょうちょう、毎日同じことを繰り返すのが好きなんですって。
< シロノハイイロシメジ>
(きのこ図鑑より)
アーノルド・ローベルの描いた絵は淡い色づかいのため、きのこが本当に白なのか怪しい(現にページが変わるとちょっとだけきのこが色づいてる!)ですけど、白であるならば、シロノハイイロシメジが似ているのではないでしょうか。表面にぬめりはなく、滑らからしいので、ちょうちょうが休むのにもぴったりかも知れません。食べられないことはないようですが、中毒を起こす場合もあるようなので、注意が必要なきのこです。
「ふたりのねこ」
ふたりのねこはこちらのねこ絵本で紹介しています。
にゃにゃ♪『私の好きなねこの絵本』を紹介します - バンビのあくび
ヒグチユウコさんはよくキノコを描かれていて、この絵本にももちろん登場しています。
青いキノコ。
<ソライロタケ>
(きのこ図鑑より)
くらげりょかんにも出てきたソライロタケ。やはり青が美しい。
「ふたりのねこ」ではないですが、ヒグチユウコさんのこの絵はキノコがいっぱいで調べるの大変そうだ!と思いました…。
「ベルナルさんのぼうし」
ベルナルさんのぼうしは以前に触れているので、こちらをご覧下さい。
『ベルナルさんのぼうし』を読んで~他5冊の絵本を紹介します - バンビのあくび
いまいあやのさんの繊細な絵本にもきのこが登場します。
ベルナルさんのお家の中にきのこが生えてる…!
<イヌセンボンタケ>
(きのこ図鑑より)
形からイヌセンボンタケが近いのではないでしょうか。触るだけでボロボロ崩れてしまうような繊細さもいまいさんの絵の雰囲気と合っているような気がします。毒はないようですが、食用には向かないらしいです。
洗濯物と一緒にきのこが干してありましたよ。
<シイタケ>
14ひきのひっこしと同じように、しいたけで良いのではないでしょうか。ぶら下がってる、吊るしてあるキノコはしいたけが多いですよね。
「さがしもの」
こどものとも10月号の「さがしもの」。 (現在本屋さんで売っています)
ストーリーは「くまのコールテンくん」と少々かぶるところがありますが、昔の日本家屋の良さが出ている絵本になっています。森洋子さんは繊細な鉛筆画に朱色を際立たせる画風なのですが、本当に素敵で私の好きな絵本作家さんの1人だったりします。
出てくるきのこは表紙にも描かれている明るくなるきのこ。
< シイノトモシビダケ>
(シイノトモシビタケ観察会 より)
色は違いますけど、シイノトモシビダケで間違いないと思います。形がそのままですよね?
シイノトモシビダケは見てみたいきのこ1つで言葉通り、光るきのこなのです。漢字では「椎の灯火茸」と書き、夜間に発光するようです。素敵ですよね。
この絵本、もう1種類、きのこが登場するのですが、ぷしゅー、ぷしゅー、と胞子が飛んでいる表現がとても良くて、何度も何度も読んでしまいました。
本屋さんに並んでいると思いますので、ぜひ探して見て下さいね。
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私はきのこが好きなんですけど、種類などを調べたことがなかったのでなんだか楽しかったです。
ここに上がっている絵本は私の家の本棚にあったものになりますので、きのこが出てくる絵本はもっともっとたくさんあります。
きのこさがし、楽しいのでぜひぜひやって見てほしいですー。