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バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

足音が聞こえなくなったのは自分の心臓の音が邪魔をしたからだ

マンガ 思った おもひでばなし

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ブックオフで、懐かしい漫画を見つけて思わず購入してきた。

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『くにたち物語』

残念ながら1、2巻はなく、置いてあったのは3~5巻だけだったのだが、どうしても読みたくて購入してきてしまった。

以前にもちらっと書いたことがあるのだが、私は『くにたち物語』が大好きだ。くにたち物語から私は様々なことを学んだ。小学生から中学生に移り行く際に起こりえる友達との関係や恋愛のこと、部活動での出来事、それから体の成長に伴う恥じらいや戸惑いも。

主人公であるモコちゃんと自分を照らし合わせては数えきれないぐらい泣いたり笑ったりさせてもらった。完結していなくてもこの漫画から得らえるものは多かった。

くにたち物語の細かいことについてはまたいつか書こうと思っているが、今はほんの少し読み返して感じたことを書いておこうと思う。

文庫版の3~5巻は主人公のモコちゃんが中学校へ入学したところから始まる。中学生活は小学校との差があり過ぎて心がぐらぐら揺れる。「このジェンガ、もう抜くところないから崩れちゃうわよ!」ってなぐらい、ゆらゆらぐらぐらした状態にまで攻めこんでくる。今まではただ単に「好き」だと思っていた男の子を意識し始め、上手く立ち回れないモコちゃんに時々イラッとしながらも共感してしまうのは危うい心の動きが手に取るようにわかるからだ。

この物語の中で、モコちゃんが好きな男の子(トッド)にチョコレートを渡そうと決意する部分がある。その年のバレンタインデーはあいにくの日曜日でモコちゃんは早起きして、トッドの家のポストへチョコレートを届けるために雪の中を歩いていく。誰の足跡もない雪の上を歩くモコちゃんは自分の足音が思ったよりも大きいことに驚く。その足音もトッドの家が近づくにつれ、自分の耳に届かなくなった。

足音が聞こえなくなったのはそれ以上に大きな自分の心臓の音が邪魔したからだ。

この描写の部分を読むたびに私はどきどきしてしまうんだ。そのあと、どうなるかわかっているのにどきどきしてしまう。結論を言うと、モコちゃんはトッドにチョコを渡せなかったのだが、渡せても渡せなくても鼓動の速さを感じるところまで頑張ったモコちゃんは可愛らしいと思った。

私の周りにもそうやって一喜一憂している女の子達がいたなぁってぼんやり思い出す。

私自身にはあんまり淡い経験がないのだけれど、今となってはちょっぴり残念に思っている。

 

 

***

中学時代といえば、以前にも書いているが、私の兄のモテ期がちょうど中学生の頃だった。兄はバレンタインデーにいくつもチョコレートを持って帰ってきたが、半分くらいのチョコレートを食べなかった。理由はいくつかあるようだけど、まず、知らない人(学年が違って誰だかわからない)からもらった手作りチョコは何が入っているかわからないからなんだか怖くて食べられないらしかった。それから本命の子(彼女)が作ってくれたチョコは大事にしすぎて食べられなかった(確かに何日も飾ってあったような記憶がある)。そうなると、バクバク食べられるのは市販されたチョコだけだったのだ。兄はチョコレート自体は好きなので、市販チョコは喜んで食べていた。手作りチョコで食べてたのは私が作ったやつだけかも知れない。

せっかく作ってくれたものを食べないのは、勇気を出して渡した子に悪いんじゃないか……とは思うものの、もらう方の心理として、知らない人からの手作りチョコを食べるのは確かに少々勇気のいることかも知れないと思った。彼女からもらったチョコを食べないのはどうかとは思ったけれどね。

 

そんな兄をみて、私は、「手作り」というものは近しい間柄でのみ成立すると感じ、それ以降、手作りをあげることに対しては注意を払ってきたつもりである。

逆に言うと、私から手作りのなにかをもらったことがある場合、ある程度心を開いている相手であることは疑いようもないのだ。

「 あ、あの人なら手作りあげても大丈夫そう」って、ふと、感じたとき、自分でも気づかなかった部分に触れたようで気恥ずかしくなることがある。

 

 

「女性でも男性でもどっちでも良いのだけれど、そう思えるくらい心を許せる相手がいると楽しいだろうなぁ」って、ぼんやり思いながら私は今日を過ごした。

 足音が聞こえなくなるくらいの鼓動をなんとか思い出しながら、そう思ったのだ。

 

  

 Cettia - ララバイグッバイ(MV)

 

僕がいつかこの場所へ

帰ってきたらそのとき君は

「おかえり」って笑ってくれるだろうか 

 

「 ただいま」と言って、「おかえり」と言ってもらえるのは幸せだと思う。

 

 

今週のお題「バレンタインデー」