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バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

こどもがはじめてのことに遭遇した時に感じる、緊張と可愛らしさが伝わってくる『もじもじこぶくん』を読みました

こないだ、義母が回転寿司へ連れて行ってくれた。

そこは回転寿司ではあるが、チェーン展開している店ではなく、すし職人が握ってくれるちょっぴりお高めの回転寿司だったりする。ネタも新鮮でどれを食べても美味しいと思える、そんなお店だ。そのお店で娘が一番好きなものは「穴子の天巻」である。穴子の天巻は穴子のてんぷらが揚げたてのため、衣がサクッとしており、それでいて身は柔らかく、酢飯との相性もばっちりの本当に美味しい一品なのだ。娘はもっと食べたかったようで「もう一回、穴子の天巻食べたい」と私に言ってきた。

天巻はてんぷらが揚げたてのため、回転レーンに乗ってぐるぐる回ってくることはなく、職人さんに声をかけて注文しなくてはいけない。そこで義母が「そろそろ自分で頼めるようにしなくちゃね。声をかけてみなさい」と娘に促した。娘はなんとか声をかけようとするも、恥ずかしさと怖さからなのか勇気が出ず結局、私が職人さんに声をかけて注文した。

「次に来たときは自分でやってみようね」

娘は「うん」とは言ったものの下を向いていたので、まだまだ道のりは長そうだ。

 

年を重ねると初めての経験が少しずつ減ってくるというのはよくある話で、それゆえ、初めてのことに遭遇したこどもを見ているとハラハラドキドキしてしまう。

テレビではじめてのおつかいが人気なのもそのあたりにあるのではないかと私は思っている。

 

 

発売されたばかりの、こどものとも年中向き4月号『もじもじこぶくん』を読んだ。

 

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アイスクリームを買いにでかけたこぶたのこぶくんが、アイスクリームやさんになかなか声をかけられないというシンプルなお話なのだが、この絵本は久々に私を興奮させた。

こぶくんがとにかく愛くるしくて私はハートをずっきゅんばっきゅん打たれてしまったのである。

何がどうしてそうなった?と自問自答したあと、数回読み返して思ったのは、こどもが(こぶただけど)ひとりで買い物へいくハラハラドキドキ感をきくちちきさんの絵が引き立たせているからだとわかった。

きくちちきさんの絵はこどもが描いたような伸びやかさがあって、それでいて様々な動物の特徴をとらえているのが魅力だ。それに加え、乳幼児期を思い出させるパステルカラーがとんでもなく良くて、このお話にぴったりはまっているのだ。

ぶんを書かれた小野寺悦子さんが「自分だけが知っていると思っていた世界が絵で表現されていた」と驚かれるのも無理もないかなって思うほどだった。

 

これから「初めての経験」が増えていくこどもたちに、また、それを見守る大人たちにも気持ちよく読んでもらえる絵本だと思います。

ほんの小さな勇気が道を切り開くこともあるのだと、あらためて思ったのです。