最近、絵本の記事を書いていないことに気づいた。
なので、本棚の絵本をざざっとみて、私が好きな絵本を1冊紹介するコーナーをこれから始めることにする。もちろん、不定期。
今回はつつみあれいさんの『ピーナッちゃんとドーナッちゃん』。
表紙を見るかぎりでは色も優しく、絵も可愛らしい内容に感じると思うのだが、これが予想を見事に裏切る。良い意味で。
ストーリーは表紙にも描かれている落花生のピーナッちゃんがデートへ行くところから始まる。ピーナッちゃんがピーナッくんの家で仲良くしていたら、アクシデントが起こり、そこからはオセロが黒から白、白から黒へすばやく変わるように目まぐるしく話が展開していくのである。
実はこの絵本、ストーリーで読ませるというより、テンポで読ませる絵本のため、一本筋の通ったお話を読みたい!という方はお好みでないかも知れない。だが、実際に文章を声に出すとよくわかるのだが、テンポがとにかくいい。言葉も絵も場面がパタパタ切り替わっていくようで、読み終えるとニヤリとしてしまう。内容もブラックユーモアたっぷりで、ついつい笑ってしまうのだ。
ネタバレになってしまうが、ピーナッちゃんがアクシデントにより、パックリ割れて中からピーナッツが飛び出してしまったり(あとでこんぺいとうをつめることになる)、ピーナッちゃんから飛び出したピーナッツを食べたドーナッちゃんがちっさいちゃんにかじられたりする。
しかも「みぎ」とか言われる。
ドーナッちゃんのかじられた箇所はあとでサンドイッチをつめられる。
……ネタバレといいつつ、ここだけ読んでも私が何を言っているかさっぱりわからないのではないだろうか?
だが、絵とともに本を読み進めていくと、「なんだよ、これ!」ってなことになるのである。
内容がわりとブラックなので「これって大人向けでは?」と言われたりもしているが、私の子ども達は笑いながら読んでいて、とっても気に入っていた。
この絵本を読んでいるときに、なんでこんな展開になるの?とか考えてはいけない。
なるべくしてこんなことになっちゃうのです!
ものすっごく有名な絵本というわけではないので、あまり書店に置いていないかも知れませんが、見かけたらぜひ読んでもらいたいです。
あなたも思わず「クスッ」と笑っていることでしょう。
絵本はいろんな読み方ができるから、本当に面白くて大好きなのです。