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バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

2017.2.15 ~花の蜜でも吸いながら

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「あなたに冷たくするからあの人は好きじゃない」

そんな言葉を投げられたのはラジオのパーソナリティーが大笑いをしている時だった。外から響く車のエンジン音、冷蔵庫の稼働音、様々な音が入り乱れていたが、私にはその言葉だけが鮮明に聞こえた。まるでキミとわたしが糸電話で繋がっているかのように、耳にダイレクトに響いてきたのだった。

わたし、という存在はキミにそこまで思ってもらえるほど、キミに何かを与えていたのかと考える。いや、何も与えてはいない。だとすると、キミはあの人が取った態度が見るに堪えられなかっただけではないだろうか。相手がわたしであっても第三者であっても同じだったのではないだろうか。恋人にしたくない人の条件で「店員に横柄な態度を取る人」を挙げるような感覚と近しいものだと捉えれば合点がいく。

そうだ、そうだったんだ。そうやって考えれば考えるほど、嬉しさと寂しさで心のボールに入っている生クリームはどんどんぐちゃぐちゃにかき混ぜられて固くなっていく。

もう動かない。動かせない。動かないから生クリームを食べて終わりにしようと思った。そういえば砂糖を入れ忘れた。

まったく甘くない生クリームを平らげるのは思った以上に拷問だった。

***

「あの人がいれば良かった」

「あの人がいたから上手く回ってた」

私は、平均台から落ちないようにバランスを取りながらえっちらおっちら、なんとか前に一歩一歩足を踏み出していたのに、横から刺さる大風のような一発に足を踏み外しそうになった。一層のこと、落ちてしまおうかと思った。風に乗って落ちたらゆらりとゆれて着地できるかも知れない。

今にも溢れそうな涙を歯をくいしばりながら「こぼれるな、こぼれるな」って唱えなくともいいのかも知れない。

だが、落ちる勇気さえも持てずに未だに平均台の上で百面相をしている。

***

ここ数日、17時を回った頃の空がまだ明るくて、何度も「ふぇ~」というため息とも言えない変な声を出しながら春が近づいてきたことを感じている。気持ちを上げていくのは大変なのに、落ちる時はすとーんと落ちる。本当にジェットコースターみたいだ。頂上に行くのはカタカタ時間がかかるけれど、落ちるのはあっという間。ついでに遠心力で1回転しちゃいそうなくらいぐるんと回る。

 

けれど、実は私に良く効く魔法の呪文があって、それを唱えてもらえると一気に頂点付近まで駆け上がることができる。力が抜けて気持ちの悪い笑みまで浮かべることができる。

 その呪文を唱えてくれる魔女が来るのを待ちながら、花の蜜でも吸っていようと思う。