スーパーマーケットでレジの列に並んでいた。
隣の列にはお父さんと3歳くらいの女の子が子ども用のカートを持ちながら並んでいた。スーパーのカートにはパンダ、うさぎ、ライオンなどの動物の旗がついているのだが、女の子のカートにはきりんの旗がついていた。
「きりんさんはくびがながいんだよねぇ」
「そうだね。きりんのくびはながいよね」
親子のささやかな会話が耳に入ってきて気持ちが良かった。
女の子は小さな大福が5つ入った袋を持つと、ぷくぷくのほっぺたにあてながら「おもち、おいしそう」と言った。
そのしぐさがあまりにも可愛らしかったので、微笑みながら女の子を見つめると、女の子は私の視線に気づいてにっこり笑ってくれた。
ふたりでへへ、あははと笑いあっていたら、お父さんが「すみません」と声をかけて下さった。
「いいんですよ、かわいいですねぇ。うふふ」
お父さんへ答えたあと、女の子に話しかけた。
「おもち、おいしそうだね。はやく食べたいね」
「おもち、はやくたべたいー!」
無邪気な笑顔で答えた女の子は愛らしくて尊いと思った。
私の娘は赤ちゃんの頃、本当にぷくぷくで腕などは「輪ゴムをいくつ止めてるのかしら?」と思ってしまうほど、腕にすじが入っていた。少し前に誰かが言っていた「ちぎりぱんみたい」が一番しっくりくる表現かも知れない。
ぷくぷくの娘はご年配の方に大変人気があって、買い物へいくたびに「あら、まあ、最近あんまりみないぐらいのぷくぷくちゃんね」と声をかけられた。あの時は「へへ、またまたお世辞を言われちゃったわ」などと思っていたけれど、こども特有のぷくぷくは人を惹き付ける力があるように思う。
「3月のライオン」であかりさんが「ふくふく」にしてしまいたくなるのも、よくわかる。
「すやすや おやすみ」に出てくるふっくらほっぺのはるこちゃんもかわいいので、見かけたらちょっと見てほしいなと思う。