加藤休ミさんの『クレヨンで描いたおいしい魚図鑑』を読んだ。
魚図鑑と言っても泳いでいるような魚を描いているのはほんの一部で、メインはおいしい料理になった魚たち。
ぱらぱらめくって出てくるのはさんまの塩焼き、金目鯛の煮付け、あじの開き、ししゃもの一夜干し……など、どれも非常に美味しそうでよだれが口の中にたまってくる。料理の本を眺めているだけでお腹がなるというのはあるけれど、この絵本、場合によっては下手な写真よりよっぽど美味しそうなのだ。
こんなに美味しそうなのに使っている画材はふつうのクレヨンとクレパスのみというのに驚かされる。最後の方のページに使っている画材の写真がモノクロで載っているのだが、本当に娘が使っているようなクレヨンだった。何度も塗り重ね、伸ばしたり削ったりすることで本物みたいな質感が出せるらしい。
「え?本当にクレヨンとクレパスだけ??」
娘も息子も驚いて笑っていた。手の届かないような画材ではなく、自分たちが使っている道具でこんな絵が描けると感じられる機会があって良かった。
先ほどから「絵が美味しそう!」と連呼しているけれど、添えられている文章もなかなか面白い。魚の説明はもちろんのこと、簡単なレシピまで書かれていて笑えてくる。さんまの塩焼きは塩の量まで書かれていて自ら「細かっ。」とつっこんでいる。
読みごたえも十分にあって楽しい絵本なのでぜひぜひ眺めてもらいたい。
きっとお腹がなっちゃうよ!
加藤休ミさんといえば「きょうのごはん」も美味しそうでおすすめです!