バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

20190813 ~手を添える

今日行った本屋にハン・ガン『回復する人間』が置いてあったため、迷わず購入した。

「このままで良いですか?」

咄嗟に「はい」と返事したものの、持もちのバッグが小さかったため本を手で直接持って歩くこととなった。書店のカバーはかけてもらったが、手汗を含んだカバーは時間が経つにつれ、波を打ってごわごわした感触になっていた。

 

母と話をした。

「あなたの話は何でもハッキリ言ってくれて良いわ」

母は湯飲みに手を添えながら言った。私もたくさん悩みや迷いがあるけれど、同じところをぐるぐる回ってるのは好きじゃない。だから山手線ぐるぐるしているよりは、ちょっと郊外へ行こうかな、みたいな思考で過ごすことにしている。例え、進んだ先が正解でなくとも可能性のひとつを打ち消せただけ答えに近づく気がするのだ。丸い路線からいくつも枝分かれしている路線に進んで、それぞれの景色を眺めていたら新たな考えも浮かぶかもしれないし、出会いもあるかもしれない。

歩みを止めたつもりでも老いていくのであれば、ずっと考え続ける方がいい。

 

母は尊敬に値する人であるけれど、老いたと思う。母であっても誰かに背中を押してもらいたい時があり、その役目が私であるならば私はそっと背中に手を添えるだろう。