VIDEOTAPEMUSIC@名古屋QUATTROへ行った。
先に書いてしまうとVIDEOTAPEMUSICに関してものすごく詳しいわけでもないし、熱烈なファンというわけではない。(なかったになる可能性はある)
今までVIDEOTAPEMUSICの存在は知っていたし、音も嫌いではなかったけれど特段ライブを観に行きたいと思うほど突き動かさる「なにか」は私には感じられなかった。
だが、7月に発売された4枚目のアルバム『The Secret Life Of VIDEOTAPEMUSIC』をとても気に入ってしまい「これは!ライブに行くやつだ!」と思ってすぐにチケットを取った。私は年に数回程度しかライブへ行くことがないので、いつもはよくよーく考えてチケットを取るのだが、直感で「行くやつ!」と思ったものだけは速攻でチェックして取ることを繰り返している。そういった直感が働くのはだいたい5年に1回くらいのようだ。
初の歌モノアルバムである「The Secret~」は元々エキゾチックな世界を魅せていたVIDEOTAPEMUSICの輪郭がゲストボーカルによってより鮮明な音と映像になったように感じた。それはゲストが共演やコラボを経験している方が多くいることもあるだろうし、韓国、台湾、フィリピンなどのアジアのアーティストが参加していることも理由の1つなのだろう。
さて。
ライブのことだが、ライブは折坂悠太(重奏)をゲストとして迎え、先に折坂悠太(重奏)、その後にVIDEOTAPEMUSICという流れで行われた。ライブ前とライブの間はDJピーチ岩崎が場を盛り上げてくれた。(ライブとライブの間に流れたVIDEOTAPEMUSIC「南国電影」のEDITが良かった!)
私は音楽を聴くとたいてい揺れているのでずっと揺れていたと思う。ゆらゆーら
折坂悠太(重奏)をはじめて観たのだけれど「強い!」と思った。何が強いのかって説明できないけど、存在感かな。折坂悠太の歌ってる時とMCの時の違いとか高音出してる時に良い意味でちょいブサイクになるとことか好感しかない。音について語れない私の知識と語彙力にだいぶ問題があるけれど、良かった。ただ良かった。もうそれで良いのではなかろうか。現在放送されている月9ドラマ「監察医 朝顔」の主題歌である「朝顔」も聴けたし、気持ち良かった。
からの、VIDEOTAPEMUSIC。
VHSから取り出されたノイズまみれの音声や映像、サンプリングされた音源とともに演奏するVIDEOさんがいやぁ、かっこいい。なんなの?ピアニカってあんなにかっこよく弾けるの?それなら私もやりたいよ!と皆が思うはず。
ノスタルジックで異国の地へと誘う映像と音楽の数々はライブが終わった時に「ひと夏のアジア旅行を堪能した」と錯覚するくらいの気持ちになった。それってすごいことではないのだろうか。直接的体験ではなく、間接的、しかも音と映像だけで旅行気分を味わう体験ってなかなかないと思うのだ。今回のアルバムでmmm(ミーマイモーと読みます)が歌う「Summer We Know」は私が今夏一番聴いた曲なのだが生で聴いても素晴らしかった。mmmの控えめな感じが私は堪らなくて。ちょっぴり恥ずかしそうに端っこで歌うのに声はしっかり出ていて何とも言えなかった。素敵。アルバムの「Cocktail Moon」はMellow Fellowというフィリピンの方が歌われた曲なのだが、ライブではmmmが歌ってくれ、雰囲気の違いを感じながら楽しむことができた。「You Drive Me Crazy」はCDで聴いた時より生の方が断然よくて車で駆け抜けていくような疾走感に酔いしれた。
アンコールには折坂悠太が登場し、「Stork」を歌ってくれた。この「Stork」って曲は私が夏に本屋を巡っていてHIBIYA COTTAGEでうろうろしていた時にも流れていた。
風上へ 空を切るこころ 低く飛ぶ
街の背に灯が燈る 風上へ 低く飛ぶ
「風上へ」の部分は曲で聴くと気持ちが良い。この表現、けっこう考えているのだけれど未だに掴み切れてない。ただ、心地よく聴いていられることだけで満足してしまっている自分もいる。
折坂悠太が他のアーティストアルバムにゲストとして参加するのははじめてらしい。「それがVIDEOさんで良かった」と話していた。
自国と他国の関わり、時代の移り変わり、自分と他者との関係性、それらを今一度考えるきっかけになり得るライブだったように感じた。
終始、皆が仲良さそうでにやにやした。
ミラーボールも回ったし、夏の終わりを迎えるのに最高の夜であった。
VIDEOTAPEMUSIC / Summer We Know(feat.mmm)【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
この曲、「メドウ」の使い方が好き。