子ども達にクリスマスプレゼントをねだられた。少しばかり賞与も出たので、希望の品物をあげた。
私はサンタクロースにはなれないけれど、サンタクロースでは出来ない「毎日生活を共にすること」はできる。
日々の生活を丁寧に送りたいと思いつつ、感情がコントロール出来ずに、虚無のまま終わってしまう日がある。手に力が入らずにマグカップを落とすこともある。誰かの笑顔と柔らかい空気に触れて自己を見つめ直すこともある。
誰かに求められた私ではなく、私は自分が思う私でありたい。
華やかな空気が寂しいとは思わない。特別な日は騒ぐだけ騒いだら良いと思う。幸せそうに笑っている人は多い方が良いんじゃないかな。例え、私が笑えなかったとしても私は笑っている人を眺めていたい。
喫茶店で珈琲を飲んでいたら、お会計をしている両親について歩く男の子がいた。きょうりゅうのぬいぐるみを持った男の子が可愛くて微笑んだら、男の子はにやっと笑って柱に隠れた。そしてゆっくり柱から顔を出したり引っこめたりを繰り返した。
「おっ!そこに隠れてたか!」
「あれ?どこにいったかな?」
私も男の子の動きに合わせて表情を変えた。
お会計の終わった親が男の子の背中を軽く押して、ドアへ向かうように促した。男の子はお父さんの腕の間からちらっとこちらに顔を向けた。
そして、いたずらをした後のような表情でにやっと笑った。