娘が毎日近所を散歩しているのだけど、たまには違うところも散歩したら楽しいかなと思い、夕方、公園へ一緒に行ってみた。
公園の入り口に近づくと、薄いピンク色の花が見えてきた。ああ、この公園は桜がたくさん咲いているのだったとそのとき思い出した。
前回、この公園を訪れたのは昨夏のことである。青々とした樹木と照りつける日射し。グラウンドでやっている草野球がいつのまにか終わっていたくらいたくさんの話をした。500mlのジャスミン茶が空っぽになっても、まだ話足りなかった。
時間が過ぎるのはなんと早いのだろう。
あの時の青い葉はたくさんのピンク色で染まっている。
季節は移ろいゆくのに、私は何か変化を遂げたのだろうか。外見は白髪がものすごく増えているけれど、心はどうなのか自分では判断できない。
ただ、私と楽しく話をしてくれる人が昨夏より増えていることは確かで、その感触がくすぐったくて嬉しい。
桜を眺めて歩いていたら、危うく白い花を踏みそうになった。誰かに踏まれそうになってもそこに咲いている花は動かない。
桜ほど華やかではないけれど、自分の場所で咲いている花は美しいと思う。
桜が咲いてもここにいるから
私はここから出ていかない。