バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

『ぼくたちはきっとすごい大人になる』 有吉 玉青

 ぼくたちはきっとすごい大人になる (光文社文庫)

ぼくたちはきっとすごい大人になる (光文社文庫)

 

 小学生を主人公にした6つの短編集です。

最近、子供の視点や行動に興味があるようで子供が出てくるものについつい惹かれてしまいます。そういった本を読んでいると自分が子供の頃どうだったか?と回想でき、忘れかけた子供の目線を少しだけ感じられると思っています。

気休めかも知れませんが、そう思うだけで疲れた時でも少しだけ笑顔になれる気がします。

お話の1つ『一心同体』

これを読んでいたら鮮明に回想できたコトがありました。

長くなりそうなので別に書こうかと思います。

両極端な女の子2人が仲良くなる話。

とても仲の良い友達だと思っていても触れてはいけない

触れられたくない部分があること。

特に家族のコトに関してはとてもデリケートな問題。

突発的に出た相手を傷つける言葉。

その後、また戻れるか戻れないかはお互いの距離と信頼なんだろうなぁと思いました。

 『シュルッセル』は音楽が好きじゃない(得意でないので)と思っていた男の子が

先生に声を褒められ、歌を歌う楽しみを覚える話。

歌にどっぷりはまったが故、

 「納豆をアッチェレランドでかき混ぜる」
「お味噌汁はアダージョで飲み ゆるやかに」
「きらいな人参はコン・マリンコニーアにつつく」

なんて食事中に思っちゃったり。

ラストは少しさみしいですけど仕方ないですね。

 『ママンの恋人』
「愛してもだめなものもあるし、愛されてだめなこともあるの」

と言ったママンの言葉の本当の意味は・・。

大人の事情は難しいですね、はい。

 

そんな感じの本ですが2時間あれば余裕で読み切ります。

死や障碍の話もあるのにそこまで重たくもなく、読後が暗くなることもないです。

サラッと気軽に読めて良かったです。