3月になると管理栄養士国家試験を受けたことを思い出す。
私は栄養士養成施設の短大を卒業している。
卒業後、全く関係のない職に就いたが転職し、調理(栄養士の仕事を含む)の仕事に携わった。
最初は全てが手探りで何も上手くいかなかったが、実務経験がないと管理栄養士国家試験の受験資格が得られないため、最低限そこはクリア出来るよう頑張って仕事をしようと思っていた。
慌ただしく過ごしているうちに受験に必要な実務経験年数に達し、「さあ、受験するかー」と・・・なれば良かったのだが、残念ながらその時はならなかったのである。
ちょうど遊ぶのがとても楽しい時期で「受験資格はあるんだからいつ受けてもいいや」と思ってしまったのだ。職場から国家試験資格を求められている訳ではなかったので、要は自分次第。
その時は資格よりとにかく遊びたかった。結果的に後悔はしていない。
その数年後、結婚し妊娠した。大量調理の職場で妊婦は戦力にならないので、退職する道を選んだ。
息子が生まれ、幸せに優雅に過ごせるかと思いきや、息子は寝ないし泣いてばかりだし1日を終えるのがとても大変だった。産後鬱っぽくなっていたのかも知れないと後から思う。
そんな息子も1歳を過ぎると少しは寝てくれるようになった。
それまで自分の時間なんて全くと言っていいほど取れなかったが、息子が昼寝をしてくれるので急にぽっかりと時間が出来た。
最初は本を読んだり、ネットサーフィンをしたりとまったり過ごした。だが、そのうちになんだか物足りなくなった。そこで思い出す。そうだ!管理栄養士国家試験の勉強をすればいいと。
実は私が受験しようと思い立った時は旧カリキュラム最後の国家試験だった。
次の年から新カリキュラムでの試験になるため、私が学校で学んでいない範囲が必然的に増えることになる。受験資格はあるのでもしも落ちたなら次年に再チャレンジすればいい話だが、ここはなるべく一発勝負でいこうとそんなことを思った。
問題集や教科書、用語集を並べていざ勉強を始めてみると忘れているのではなく、明らかに知らない事がたくさんあった。
ここで感じたのはやはり2年の養成施設の勉強では全く歯が立たないと言うことだ。4年の養成施設、または最初から管理栄養士を見定めての管理栄養士養成施設に行ってはじめて全体を網羅できるんだなぁと思った。受験科目が当時で14教科あり、うへぇ・・と思いながらも少しづつ覚えていった。
幸い、購入した問題集は自分にあっていたらしく、勉強を進めるのが苦ではなかった。育児の中で自分自身としての目標があるのは生活にメリハリが出来た。時間を作るのは難しかったがそれでも楽しく勉強していたように思う。
受験について調べていくと合格率はだいたい20%〜30%だった。だが、最低合格ラインの点数を取れば合格するわけで、合格率はあまり気にしないようにし、点数と理解度で判断しようと思った。
受験当日。席に着くと周りの人は問題集や参考書を広げて必死に眺めていた。新卒者と既卒者は部屋が違うようでとても幅広い年齢層の方がいたように思う。
私はトイレに行った後は席について一度も参考書を開かなかった。私の性格上、今更ジタバタするとかえって焦るからだ。僧侶のように瞑想状態(笑)精神統一は気分が落ち着いてとても良かった。
試験が始まっても焦ることなく、進めて行けたと思う。そんな感じでなんとか試験を終えた。
その数日後。息子が2歳の誕生日を迎えた。全て終えていたので心から祝えた。
あなたが成長してくれたから、私も有意義な時間を過ごすことが出来たんだ。この時に自分のために時間を使えた事は本当に心のゆとりになった。
また数日経って合格発表の日になった。合否はインターネットで見られるのでその時間までそわそわしていた。自己採点する限りではギリギリ届いているだろうという感じだった。
発表時刻になり、緊張しながら画面を開くと・・あった。私の番号がそこに書いてあった。嬉しかった。「なんだ、やる時はやるじゃん!あたし」とかアホみたいに思った。
その年の合格率は25%ぐらいだったと思う。
だが、色んなサイトを見るうちにこの25%は全体の合格率であり、新卒、既卒などを細かく分けると立場によってだいぶ差があることがわかった。
新卒だと50%近い数字になり、既卒・・・その中でも私のように2年の養成施設を出た人だと合格率は10%を切っていた。
勉強を始めてすぐ思ったことがここにそのまま反映されているんだなと思った。尚且つ、既卒だと仕事しながらの受験の方がほとんどだと思うので両立が大変だったのであろうと想像した。
そんな感じで今は持っているだけ〜の資格になりつつありますが、私にとって国家試験は良い経験となりました。
余談ですが。
誰かの為に少しでもなればと、その時にやっていたブログに使った参考書や問題集と自分なりの勉強の進め方を書いたら、全く知らない方からコメントを頂きました。
それは批判的な内容でした。簡単に言うと「どうせ良い大学とか出ていて、私なんかとは元々出来が違うんでしょ?エラそうに書くなよ」みたいなことでした。
「良い大学出ていないし、あなたこそ私の努力の部分を知らないで憶測でモノを話すなよ」と思いましたが、その人自身やその時に置かれている状況により、色んな見方をされるんだなぁと勉強になりました。
人の気持ちはそれぞれ違う。
たかだかの何の役にも立たないブログを書いている時が一番楽しかったりします♪(笑)
☆追記
管理栄養士国家試験で検索して来てくださる方が多いので、簡単ですが私が使った問題集などを書いておきます。
クエスチョン・バンク 管理栄養士国家試験問題解説
ハッキリ言って、この本があったから合格したと思っています。
私は生化学にとても苦手意識があり、理解する前に見るのもイヤ!って感じだったんです。
生化学を捨てて他のところでカバーしようかと思ったくらいです。
ですが、公衆栄養など日々概要が変わっていくものより、生化学の方が確実に点数が取れると判断し重点的に勉強しました。
この本の可愛らしいイラストがそんな私にはちょうど良かったです。過去問はほぼ全て解けるまでやり込みました。
毎年、新しいものが出版されますのでぜひ。
管理栄養士国家試験受験必修キーワード集
勉強している時に「あれ?こんな言葉あったっけ?」とか思った時にこの本は役にたちました。用語の理解だけでなく、この用語を用いた過去問題文も載せてありましたので一緒に覚えました。
私にはとても役に立ちました。
それからやはり模擬試験は受けておいた方が良いと思います。
私は先に書きましたように、小さい子どもがいましたので会場受験はしておりませんが自宅受験はしました。
その間だけ、母に子どもを見てもらい時間も計ってキッチリと問題を解きました。
女子栄養大学の模擬は一度だけ受けましたが、基本を忠実に押さえてあったのでおさらいにはなったと思います。
RDCはもう少し踏み込んだ問題のように感じました。
どちらも自分の弱点を理解し、後の勉強につなげました。
でも、出来るなら会場受験をされた方が良いんじゃないかな?と思います。
これらの他に使用したものは後は教科書ぐらいですね。
以上。
少しでもお役に立てれば幸いです。(*^_^*)