バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

花火

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子ども達がお盆前まで毎朝通った「ラジオ体操」の景品で花火をもらった。

 
やろうやろうと思いつつ、天気が悪くてなかなか出来ずにいたのだが、線香花火が半額で売っていたのもあってそれと一緒に「今日、やろうか」と言うことになった。
 
夕飯を早めに食べ、仏壇の引き出しからロウソクを取り出し、手足に虫除けスプレーをかけ、子ども達と意気込んで外に出た。
そんな私達の目に映ったのはシトシトと降る雨だった。
先ほどまでは間違いなく降っていなかったのに、闇の中に一筋の光を照らすと、そこには間違いなく雨のスジが浮かんでいた。
 
花火モードからシフト出来なかった私達は、幸いにもザァザァ降りではなかったので家にある広めの軒下で花火をすることにした。
 
ロウソクに火をつけ、いらないブロックの上にポタリポタリとロウを垂らす。
「なにしてるの?」
「こうやってロウを垂らして、固まらないうちにロウソクを置くと固定されて立つんだよ」
「ふーん」
娘にとっては、興味深い光景だったようだ。
 
そして、手持ち花火に次々と火をつける。
 
勢い良く火が飛び出し、赤や黄色、緑と色が変化するもの。
火花の散り方が華やかなもの。
煙ばかり大量に生産するもの。
 
火薬のニオイが鼻を刺激してツンした。
 
しゃがんで線香花火に火をつける。
パチパチと響く音は控えめで、細かい火花がポッと闇に灯りをつけた。
オレンジの火花をずっと眺めていると、それは細い血管のように見えてきた。
まあるい玉から外へ向かっていく血管。
パチパチと弾く音はさながら「脈」と言ったところだろうか?
 
パチパチ…。
次第にその音はなくなり、代わってまあるい玉が少し震えながらジーッという小さな音を出す。
まあるい玉はその後一回り小さくなり、やがてオレンジ色も消え、闇と同化していった。
 
私はその線香花火をポチャンとバケツの中へ入れた。
 
 
もう一度、線香花火に火をつけた。
今度はジーッという音の後、まあるい玉が「ポタン」と地面に落ちていった。吸い込まれるように。
 
 
すべての花火を終えた時、いつの間にか雨が止んでいることに気づいた。
 
足元にアマガエルがぴょこんと現れ、どこかへ消えていった。
 
 
 
もうすぐ夏が終わる。
 
 
 


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