バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

『チェリー』は真夜中が楽しい

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 『チェリー』のことを書くのは大部分が自分の為だったりします。

少しずつ記憶は朧げになるのに、そんな中でも頭に残っている楽しかった瞬間はホンモノなんだろうなと思ったからです。自分語りの日記ですが、続き読みたいよと言葉をくれ、引用スターも頂いたので、もうしばらく書いてみようかなと思います。

(連載で書くのはスポ根カテゴリのバレーボール以来ですねw)

 

こちらは昨日書いたエントリです。


 ***

私はそこまで頻繁に「チェリー」に出入りしていた訳ではないのだけれど、「チェリー」と言う場所はとにかくたくさんの人が出入りしていたように思う。

基本的に「音楽の好きな人」が多かったので(というかほとんど?)、何かしら音楽の話をすればとりあえず間が持つ場所だった。ただ、田舎者のドンくさい私はその彼、彼女達がとても光り輝いて眩しく見えたのだ。「おおっ、この人達みたいなのが雑誌に載ってるような素敵な若者なのかも知れぬ!んぐぐっ・・」みたいなそんな感じで見ていたんだ。実際、雑誌にスナップ写真が載っている子もいたし、某男性誌に部屋が載っていることもあったり、どこぞやのバンドの方が出入りしているとの話も聞いていたのでそうだったのだと思う。

引け目を感じてしまう時もあって、チェリーに行こうかな?どうしようかな?と迷っていると、ちょうど良いタイミングでだいちゃんから「来ないのー?」と電話がかかってくることがあった。あぁ、そうか、この人はきっとモテる人なんだろうなと思った。(マジでモテモテだったけど!w)

 

ある日。みんなで集まって音楽流しながらワイワイと騒いだり、だいちゃんの部屋にある漫画をひたすら読んだりして過ごしていた。終電の時間ぐらいになった時に帰った子もけっこう居たけれど、私はなんだかすぐに動くのが面倒だったのでそのまま朝までダラダラ居させてもらうことにした。そんな時、ガタンと玄関が開き、1人の男性が自分の部屋のようにするりと入ってきた。初めて見る人だったけど、その動きからココに良く出入りしている人なんだろうなと思った。

「人が多いの、苦手だから」

そう言った男性は、口数が多い方ではなかったけれどどこか面白かった。だいちゃんとも昔からの友人のようでなんだか2人はとても面白かった。

その男性の名前は「はむ」と言うらしいことがわかった。「なんで、はむなんですか?」と私が尋ねると、男性はこちらをジッと見ながら、真顔で

「ハンサムだから、はむ!」

と答えたのだ。

おいおい、ココにはこんな人しかおらんのかいっ!と思ったけれど、はむくんは確かにハンサムな部類の顔立ちだったので、私は笑うべきなのか迷ってしまい、「あは、あははっ・・・っ」とお決まりの引きつった笑みを浮かべるしかなかった。

はむくんは椅子からガタッと立つと「お腹が空いた」と言いながら、炊飯器に残っていたご飯を茶碗によそい、ガツガツと食べ始めた。その時、左手に持った茶碗が手からするりと離れふわっと浮かんだかと思うと床に向かって一直線に落下していった。あ、床に落ちる!と私が思ったその時に横からスッと手を出したチホちゃんの手にスポッとおさまった。

ラクル。チホちゃん、ナイスキャッチ。

あまりにも良い着地だったので「おおーっ!」と感嘆の声をあげたのは言うまでもない。

 

真夜中は、声のトーンも落ち着き、お互いの顔がいつもより良く見える瞬間があって「あ、なんだか良いな。楽しいな」と思った。真夜中のテンションは時としてお互いの距離を近づけるのかも知れない。

 

「やぎとはむと俺は昔、同じバイトしてたんだよ」とだいちゃんは言い、「そんで全員O型」と付け加えた。同じ血液型でも全然タイプ違うじゃん。やっぱり血液型はあてにならないなぁーと私は思った。

だけど、そのバイトのおかげなのか、3人とも笑顔がとても素敵だったのだ。

 

 そんな出会いだったはむくんは、私の息子の曲を作ってくれた人である。 

 

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