毎年ではないが、数年に一度くらいコートを購入している。短めな丈だったり、長めだったり、普段使いだったり、少し小綺麗なモノだったり…。
けれど、なぜか気がつくと手にとってふわっと肩にかけ、着てしまうコートがある。

特に変わったところもないこのコートを私はとても気に入っているのである。
もう何年着ているのだろう?と考えてみたら20年弱だとわかり、驚いてイスからお尻が半分ずり落ちた。時が経つのは早い。
この子と出会ったのは学生時代で、代官山をぶらぶらと、本当に目的もなくぶらぶらしていた時に入ったDEPTにいたのだ。(いつの間にかデプトなくなりましたね)
その頃、わりとクラシカルな服ばかり着ていて、このブラウンと短すぎない丈がはいていたスカートと妙にあったので購入したのである。値段もあんまり高くなかったと記憶している。
使い始めてみると、この子はなかなか優秀であった。
まず暖かい。コートだから当たり前なのだが、裏地がモサモサで暖かい。

娘は「毛布!毛布!」と言って私が着ていない時に膝にかけたりしている。
この写真でわかるかと思うがダブルのコートなので左右どちらの合わせも可能。
風向きによって使い分けられる…ってやらないけども!
余談だけど、昔、夫がバイクに乗る用のライダースジャケット(革ジャンね)を購入する際に一緒について行った事があるのだが、夫が眺めていたものが「SCHOTT」のジャケットだったので「あ、ショットだ。懐かしい」と言ったところ「え?知ってるの?」みたいになったことがある。夫という人は育った環境もあるのかも知れないが、洋服にはあんまり関心がなく、色々調べてSCHOTTのジャケットにしようと思ったようだが、私は高校生の時に通学用としてSCHOTTのPコートを着ていたのだ。おそらくOliveにでも載っていたからであろう。Pコートが左右どちらの合わせも可能なのは風向きによって使い分けられるからとその時に知ったんだ。
で、話を戻して。
このコート、裏地は毛布仕様モフモフで暖かいのだけれど、それでいて袖裏地はキルティングでモサモサしない。

最近のコートと言うものをじっくり見ていないし、今はみんなこんな仕様だったりするのかも?それとももっと進化してるとか?そんでも私は袖裏地がキルティングになっているおかげで腕をぶんぶん振れるのだよ。
それからこの子はタグに「LONDON」って書いてある!

なんやねん!と思ったかも知れぬが「MADE IN ENGLAND」のイギリス生まれなのである。私は未だにイギリスに行った事がないと言うのに、この子は20年ぐらい前にイギリスにいたのかと思うと「ズルいなぁ〜お前☆」とおでこをデコピンしたくなる。どこがおでこかわからんのがもどかしいのだけど…!!
次に後ろ襟をピラッとめくるとジッパーが現れる。

と言うか、この子は元々、フード付きなのである。
もうずっとずーーーっとフードを外して使っているので、その存在さえも忘れかけていたが、良い機会なので10年ぶりぐらいに合体させてみることにした。
ジジジジーーーッツパー!!
(あれ?ジッパー閉める音ってどんなだっけ?w)

めでたく合体!
…………。
特にコメントもないので、私はそっとフードを外した。切なかった。
***
とまあ、そんな感じでこの子が大好きなのだよ、私は。
だけれども実は先日、この子にほつれがあるのを発見しまして、さてどうしたものか…としばらく考えているのである。私はそこまで縫い物が得意ではないので、ここはひとつ裁縫の得意な義母に緊急手術をお願いするのが良いかしら?
「私、失敗しないので」とか言われて高額請求がきたらどうしよう?
それでもこの子が好きだからやっぱりご依頼すべきよね。うん。
ちゃんと回復したらまた一緒に色んなところを巡って巡って遊ぼうね。