
本を読むのが好きだ。たくさん読むわけではないけれど好きだ。
本から何かを学ぼうとかそんなことはあまり思っていなくて、それよりも何処か知らない世界を見せてくれたら嬉しいなぁと思いながらページをめくっていくのが好きなのだ。
色々な書評ブログやまとめを読んで「あ、これは面白そうだ」と思うと一応ブックマークをするのだが、実はあまり見返すことがない。それよりも私の心に残り「この本は是非読みたい」と書き留めてまで図書館や本屋へ向かうことがある。それがどんな本かと言うと、誰かの何気ない日記の中でふわりと登場した本であることが圧倒的に多い。
私はきっと本に興味を持つのと同じぐらい人に興味があるのかも知れない。この人がこの本と何処で出会ったのか、その上でどう感じたのか、または誰か親しい人からのプレゼントなのか、それによって少しだけ前を向けたのか、そう言ったエピソードと本が結ばれて私の脳みそのヒダにちょこっとばかり引っかかってしまうのだろう。大それたことではなく、この本を読んでいる時に美味しいチョコレートを食べたとか、これは喫茶店で読んだんですとか、そんなさりげないものでも十分記憶に残っていく。
そこには楽しかったね、それは感動しそうだ、雨降りに本を持つとシワシワになるね、そんな私の心の声も一緒に包まれていくのだ。
だからもっと当たり前の日常を私に見せて下さい。
それが本のある風景だとたまらなく嬉しかったりします。
そして私はまたあなたのエピソードと本と私の心の声を一緒に包むのです。
まるでねじって包まれたキャンディのように。