
ウキウキしながら本屋さんへ向かった。
目指すべきモノ。それは雑誌GINZAの別冊付録「おとなのオリーブ2015」である。
表紙に書かれた「Olive」の文字だけで心が弾んだ。
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私がOliveをひたすら読んでいたのは中高生の頃である。
ページをめくるたびに新しい世界を見せてくれることにウットリし、ある時はビビっと刺激を受けた。以前にも少し触れたが、私が通っていた女子高のすぐ近くにあるコンビニでは、Oliveが発売日に3冊だけ入荷されていた。私は必ず発売日の朝にコンビニへ寄り、3冊のうちの1冊を手に入れる。そして休み時間ににやにやしながら1人で読むことを楽しんでいたのだ。同じようにOliveを読んでいる子はほとんど見かけなかったけれど、私には一切関係なかった。Oliveは私だけの世界だった。
部活漬けの生活の中では買い物へ行く暇もなく、また可愛い服を買ったところで着ていくところもなかったので、Oliveの中に描かれた世界は憧れでしかなかった。本紹介に書かれていた本を読んでみたり、中島らもとわかぎえふの「性格ふいっち講座」で笑ったり、小沢健二の「ドゥワッチャライク」でウキウキしたり。市川三姉妹では実和子ちゃんが一番好きで、実日子ちゃんを初めて見た時は「目ぢから!」と思ったり、絵本や妖精の話の時は前のめりで読んだり…。
そういうのが、少なからず「今」の私を形成するピースになっていると思っている。
高校の時、家庭科の授業をいつものようにボーッと聞いていたら「私はOliveの創刊号を持ってるんです!」と先生が言ったので目がばちん!と開き思いっきり食いついてしまった。特に何とも思っていなかった先生だったけれど、なんだか距離が縮まった気がした。
社会人になってからも「Oliveを読んでた」という方に会うと、なんだか興味がわいてしまうのはもう致し方ないことなのである。
今まで書いた記事の中にも「Oliveから影響を受けた、または知った」と書いたモノがいくつかある。(モナ・シンプソンの「ここではないどこかへ」やデプトで買ったコートの話など)
それから今まで書いていないと思うけれど、ブラッドピットの出演映画で初めて見たのは「リバー・ランズ・スルー・イット」で、これもOliveに書いてあったはず。pizzicatofiveもそうだし、記憶が確かであるならPUFFYもOliveで知った。
おそらく私が気付いていないこともたくさんたくさんOliveから吸収してるんだと思う。
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さて、おとなのオリーブ。
Oliveは洋服を魅せるだけではなく、文字や余白も美しい。

この「刹那と永劫」がすごく良かった。
スタイリングもだけど、一緒に書かれている文章が良い。祖母の臙脂色の手帳に書かれていたことから想像することと、受け入れること。
桜花だけを見て桜と思うなかれ。秋には散る葉、支える幹、地中に張った根、その全てが桜なのだ。強さと儚さ、少女のままの私と成長する私、それは相容れないものではなく、私の刹那として共存しているのだ。
私はこれからも共存させていく。
年を重ねたことで得られた私自身の地の中に、少女のままでいられる少しばかりの庭を残しておく。
行き詰まったら庭に花でも植えようか。それが自分を保つ上で大事な事のように思っている。
「おとなのオリーブ」は昔と変わらず、私に新しい風を感じさせてくれた。
同時に懐かしさも蘇っちゃうけどそれも含めて今の私。
だから、現在進行形で常に歩いていきましょう。
時々後ろを振り返りながらも少しずつ歩いていきましょう。
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画像の「おとなのオリーブ」の下にある布は右から、ADIEU TRISTESSEのボーダーワンピース、bulle de savonの麻スカート、SOILの花柄スカートです。
もう、あんまり出番がないのに捨てられないの。
せっかくだから、今年は着てみるとか……ちょっと考えよう、うん。