
ヨシタケシンスケさんの『りゆうがあります』を読みました。
ヨシタケシンスケさんと言えば『りんごかもしれない』『ぼくのニセモノをつくるには』が大ヒットしましたので、こちらも期待しながらページをめくりました。
ハナをほじったり、びんぼうゆすりをしたり、ごはんをボロボロこぼしたり、ストローをかじったり…。
こどもたちが、ついついやってしまうクセ。
それには、ちゃんとした「りゆう」があるんです。
絵本の中で、子どもがする何気ないクセを見たお母さんが「そんなことしたらダメよ」と度々叱ります。「ぼく」はこれらのクセにちゃんとした理由があればお母さんは叱らないのではないか?と考え、色んな理由を説明します。

ハナをほじるのはね…
ツメかむのはね…
ストローをぶくぶくしちゃうのはね…
「ぼく」の想像力豊かな理由が微笑ましいです。クスッと笑えます。私もこどもの頃にそんなこと考えたよなぁと思い出したりもしました。
ラストもまあるくおさまり、気分良く読み終わることが出来ます。
この絵本で「ぼく」が様々な理由を挙げた際にお母さんが「なにバカなこと言ってるのよ。ちゃんとしなさい!」みたいにズタッと切り捨てないところが素晴らしいんじゃないかと思いました。
絞り出した苦し紛れなのかも知れない理由にも「へぇ、たいへんね」と一度受け入れた後に「でも、それは今必要ないかもね」と続けるお母さん。
母親の立場で考えると、この対応ができるか否かはその時の自分の精神状態にも関わってくるよなぁと思ってしまいました。理想ではあるけれど、実際に毎回出来るかと言うとなかなか難しい場合もありますよね。
私は「ユーモアに対し、ユーモアで返す」という事は、わりと意識して過ごしているためか、これを読んだ息子に「お母さん、こういうのするよね」と言われてしまいました…。ゲフゲフン!
息子が言うには娘と私の会話に似ているようです。
息子はあんまり言い訳みたいなことをしないんですけど、娘は苦し紛れのおはなしや理由を作るのが得意なんでこんな感じになってしまうのでしょね。
こどもだけでなく大人だってクセはある。
当たり前でありながらも「そうだよねー」と穏やかに笑える楽しい絵本でした。
ぜひ読んでみて下さい☆
***
こちらの絵本を持った時に、通常の絵本のカバーよりしっかりとした厚みのあるカバーだったのが気になり、パラッと外してみたら…

おおっ、「ぬりえ」になってた!
ちょっとしたオマケみたいで嬉しくなっちゃいました。
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