最近の飛ぶ教室は著名な方の編集号を企画しているのだけれど、金原瑞人さんが編集号を依頼され、真っ先に思いついたのが詩、短歌、俳句の特集だったらしい。
表紙に並ぶ名前を見てもわかるように若い方々の作品とインタビューが載っており、興味深くて面白くて、ちょっとこれはぜひ読んでもらいたいって思ったのです。
短い言葉の中にどれだけの思いがつまっているのだろう。
語感の良さを感じたり、情景を浮かび上がらせたり。
ひとつひとつの言葉はどうやってそこに当てはめられたのだろう。
インタビューとともに作品を読むとまた違った顔が見えて面白く思えた。
ほんとうは、ではじまることは愚痴にしかならないからさ手紙燃やすね
これは藤本玲未さんの短歌なのだけれど、ああ……と小さく言葉を漏らしてしまうほど共感してしまった。私が「ほんとうは、」で始まる言葉を発するとき、相手を愉快な気分にさせたことがないと思うのだ。
春だねと言えば名前を呼ばれたと思った犬が近寄ってくる
こちらは服部真里子さんの短歌。ちょっと力が抜けてふふって笑える感じが春っぽいって思った。
斉藤倫さん、最果タヒさん、文月悠光さんの詩も良かった。もちろんその他の方の作品も楽しいし、たくさん載っていたのでちょっとここでは紹介しきれない。
俳句や短歌や詩は人によって感じ方が大きく異なるので、自分で好きなものを探してもらった方が良い作品に出会えるんじゃないかとも思う。
読むならどれも好きだけれど、自分で作り出すとしたら、私は詩が一番興味あるかな。
飛ぶ教室は児童文学の雑誌なのだが、私が児童であった頃に、このような短歌等に触れられたらまた違った世界が見えていたんじゃないかと思ったりもした。
「言葉」ってすごい。
ときどき、使い方間違えて傷つけたり、苦しんだりするけど、それを癒すのも「言葉」だったりするのだ。
あの人が何を考えているのか、私は何を伝えたいのか。
いつも傍観者のわたしをそこに置いて、考えられたら良いのにってひどいメールをしたあとに私は思うのだ。