バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

散歩

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あまりにも天気が良かったので公園へ行きたいと思い調べてみたところ、まだ足を踏み入れていない公園があったので行ってきた。その公園は池の周りに散歩道があるだけの小さな公園だった。駐車場という形態のものはなかったが、明らかに車を駐車せよとばかりに土がならされた場所があったのでそこへ車を止めた。車を止めた横では桜がひっそりと咲き始めていた。

車を降りた右手には山の斜面を利用し、段々になった墓が並んでいた。水汲み場が一番低い場所に備えられているので、高い場所に墓がある人はえっちらおっちら水桶を持って登っていかねばいけないだろう。

私は左手にある散歩道へ足を向けた。すぐ横は住宅地であるのに、ここだけ一段と静けさが際立つ。池の周りに生えた木から鶯の鳴き声が響いてきた。

この辺りはイノシシが出るのかイノシシ除けの青い線が張り巡らされていた。サルにはお目にかかるが、イノシシは天城いのしし村でお目にかかったのが最後かもしれないなどと考えながら歩いた。

しばらくすると、幹の部分から分かれた低い枝に桜が綺麗に咲いていた。手に届く位置に咲いた桜を見つめ、蕾の色との違いを楽しんだ。

地面を踏みしめて歩くと土のにおいが鼻にまとわりついている。ゆるやかな風が吹き、葉がゆらゆら揺れていた。木のあいだから降り注いでくる光もゆらゆら揺れており、とても美しかった。顔を天に向け、ぼんやりと光を眺めていたら、散歩していた犬が私の足元のにおいをかいでいた。ミニチュアシュナウザーのようだった。思わず「かわいい」と声を漏らすと、飼い主の女性がにっこり微笑んだ。

ただすれ違っただけの人も私と関わった人である。数秒後には顔すら忘れてしまうけれどそれでも関わったことに違いない。

また歩いていくと、大きなパラボラアンテナがいくつもついた建物があった。大きなアンテナにつっこむうり坊を私は勝手に想像して笑った。そんなことあるわけないのに。あんな高いところまでうり坊は跳んでいけないのに。

その先にあったこぶしの木は白い花をたくさん咲かせていた。白はすぐに他の色に浸食されてしまうので白い色を保つのは難しいだろうなって思った。

帰宅後、こぶしの花言葉を調べたら「友情」と書いてあった。

友情って綺麗な白なのかもしれない。静かに他の色へ染まっていくかもしれないけれど、人と人の関係などそれくらい危ういものだとも思う。

 

出会った人、関わった人の中でどれほどの人が私と共有する時間を楽しんでくれるのだろうか。

あまり考えると寂しくなってしまうので、今は「楽しいよ」と言ってくれる人を大事にしたいと思う。

いずれ、離れようとも。

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