あらすじはこちら。
川越の街の片隅に佇む印刷所・三日月堂。店主が亡くなり、長らく空き家になっていた三日月堂だが、店主の孫娘・弓子が川越に帰ってきたことで営業を再開する。三日月堂が営むのは昔ながらの活版印刷。活字を拾い、依頼に応じて一枚一枚手作業で言葉を印刷する。そんな三日月堂には色んな悩みを抱えたお客が訪れ、活字と言葉の温かみによって心が解きほぐされていくのだが、弓子もどうやら事情を抱えているようで――。
印刷所を訪れる四人のお客さんの四つのお話は、活字を丁寧に拾い集めるように優しくて温かかったです。
登場する小物、レターセットやコースター、栞などが読んでいてどれも欲しくなるくらい素敵に描かれていました。細かい内容についてはあまり触れませんので、気になった方は手に取って読んでみて下さい。
『活版印刷三日月堂~』は各お話の扉に活字や印刷機の綺麗な写真があり、それがとっても素敵でした。写真撮影協力に九ポ堂さんの名が記されていて、あぁ、これは九ポ堂なのかと納得してしまいました。九ポ堂さんの商品は本当に可愛くて以前に記事を書いたぐらいでしたので、このようなお話と結びつくのは素直に良いなぁって思いました。
この本の中で「銀河鉄道の夜」が出て来るのですが、私が初めて銀河鉄道の夜に触れたのはアニメでした。ネコが動いているあのアニメを観たのは小学校低学年頃だったと思うのですが、残念ながらすべてははっきりとは覚えていません。ただ、ずっと鮮明に記憶していたのは、ジョバンニが働いていたのが活版印刷所で活字を拾っている場面でした。あと、星空。活版がなにかなんてよくわかっていなかったけれど、後にそれが何かを知るとまた違った見え方がしてくるように思いました。アニメ、また観たくなりました。
あと、あるお話に活版印刷で栞を作る場面があるんですけど、私は活版印刷で栞を作ったことがあるのです。名古屋にあるいろは堂さん(現在はビワ活版室活版印刷 - ビワ活版室)が四日市にある「月の温」さんで出張ワークショップをされていた時にお邪魔してこどもと一緒に製作しました。(写真にある「ココマデ ヨンダ」と「つづき は あした」とかかれた栞です)
こども達も私も手フート(テキン)と呼ばれる印刷機を見るのは初めてでしたので、興奮しながら作ったのを覚えております。実際に印刷機に触れ、レバー押してみるとまた違った意味で活版印刷の良さが感じられるような気がしました。
とか思ってたら、東京ではもうすぐ活版TOKYOがあるじゃないですか。
今週の金曜日から3日間ですね。ワークショップもありますし、なにより楽しそう!
私は遠方で無理ですけど、行かれる方がいらっしゃったらどんだけ楽しかったか教えて下さいね。
そうそう、活版TOKYOで『活版印刷三日月堂』を購入すると九ポ堂さんが刷った素敵な栞をプレゼントしてくれるらしいですよ☆
ほしおさなえさん@hoshio_s の小説『活版印刷三日月堂』に登場する栞を刷りました。キラキラした紙、ミランダを使用。3㎝幅と細長いので、文章が引き立って見えます。活版TOKYOにて小説をお買い上げの方にプレゼントだそうです! pic.twitter.com/5ejg6TonCC
— 九ポ堂 酒井葵 (@aoi_sakai) 2016年6月29日
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活版で思い出したのですが、以前、友人から活版活字アクセサリーをもらったんです。活字のアクセサリーって聞くだけで素敵な響きじゃないですか。
「まあ、私にくれるなんて!いったい何と書かれた活字かしら?」と目を凝らしてみてみると……
『寝』
う、うん!寝るの大好きだよ!よくわかってるじゃない。
これを首から下げて出会う人に「寝」って押しまくりたいと思いました!
では、もう夜も更けてきましたので、眠るのが大好きな私は思う存分寝かせて頂きます……。
皆さま、良い夜をお過ごし下さい☆
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