びゅうっと吹いた風がいろんなものを運んできた。
甘いお菓子を包み込んでいたキラキラ光る包み紙。
ケラケラ笑いが止まらなくなる箱。
小さな痛みをちくちく与えてくる紙切れ。
無表情だけどじわじわ温かく感じるお人形さん。
ぷわぷわとただ浮いているだけのしゃぼん玉。
これらのカタチが見えていたのは私だけなのだろうかと思う。
実はすべてカタチがなかったのかも知れないと思う。
本当にカタチがあったのはあなたのまあるい頭だけだったのかも知れない。
風がびゅうっと吹いて ふたり飛ばされそうで。
テーブルの上に散らばったマーブルチョコを指ではじく。
緑と黄色がぶつかって、赤とオレンジがピタッとくっついた。
***
『ボローニャ国際絵本原画展』へ行った。
様々な技法で描かれた絵を間近で見られて楽しかった。
スッとはらった筆遣いも、切り絵の細かさも、パステルと水彩を合わせた絵も面白かった。
稲葉朋子さんのしおりが可愛くて購入した。
ネコがかわいい。
本からぴょこっと顔を出したら絶対かわいい。
このウサギもかわいくて。ウサギと本は相性がいい。
あんまり体調が良くなくて、仕事を終えるとくらくらする。
家に帰って最低限の家事をしてからゆっくり休む。
かわいいものを眺めるとちょぴり楽になれる。
金平糖を口の中で転がして、少しずつ溶かしていく。
口の中の金平糖がなくならないうちに。
いつも優しいあの子へメッセージを届けることにしようと思う。