ごとうみづきさんの『おなみだぽいぽい』を読んだ。
読み終えたあと、体の中に入っていた何かがすっと飛んで行ったような気がした。
すごいと思った。
絵本をずっと読んでいると、絵が素敵だとかじんわり優しくなれるとか、そういった意味でのお気に入りの絵本に時々出会うのだけれど、「すごい」と言わずにはいられない絵本に出会う機会はほとんどない。
けれど、『おなみだぽいぽい』は「すごい」とはっきり言いきれてしまう力があった。
主人公であるねずみの女の子の気持ちが痛いほどよくわかる。
なみだがぽろぽろこぼれてしまうときはぽろぽろながしてしまえばいい。
何が辛いかうまく言葉にできないけれど、それでも泣きたいときってあるじゃない。
鮮やかな赤、言葉の響き、ぱんのみみのパンチ力、各ページの構図、どの角度から見ても素晴らしい絵本だと私は思う。
「ひとり静かに読む絵本」として、多くの人に読んでもらいたい。
帯に書かれた「対象年齢0歳~100歳超」は決して言い過ぎではないと思う。
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メリーゴーランドの店主、増田さんとごとうさんの対談を読むとさらに面白いからおすすめ。
対談の中で2011年に開催された「とびだせ! みえの絵本作家たち展」にも触れている。私は2011年の3月にあの展覧会に行くことができて良かったと思っている。
各絵本作家さんの力をもらって、私は今も絵本を読み続けている。
「とびだせ! みえの絵本作家たち展」を楽しむ6年前の娘。