バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

2018.1.11

洗濯物を干そうとサンダルをつっかけて外へ出た。

ジョリ。霜柱を踏んだ。足の裏で寒さを感じた。

湿った冷たい洗濯物を物干しにかけていく。かけたばかりの洗濯ものから蒸気が出ていた。1つ2つ3つ。次から次へと干していく。蒸気も同じ数だけ上がっていく。

遠くの山は粉砂糖をかけたように白くなっていて、いつもより明るい色に感じた。街中に背の高い建物がない田舎の景色は、街と山の距離が近いように思う。小さな建物の背後に大きな山がどーんと構えている様子を面白いなと思いながら眺めている。

マフラーに顔をうずめた女子高生は素足にハイソックスで歩いていた。素足に見えるけれど実は薄いストッキングをはいている可能性も捨てきれないなどと考えながら車のハンドルを切った。

仕事はこれといった問題もなくただ時間が過ぎていった。名乗ったあとに必ず「あのね」と話し始める取引先の女性は今日も「あのね」と話し始めた。

夕方。会社にいる顔は強面だけど気の良い男性が宅配ピザを頼んだからみんなで食べようと言ってきた。「なんか今日はそんな気分になったから急に思い立った」と男性は続けた。しばらくしてピザが届いた。大きいのが2枚。

「ほら、年が明けてから何もしてないから新年会だよ」

皆が作業の手を止めて来てくれるか不安そうにしながらも声をかけていた。1人。また1人。作業の手を止めてやってきた人は男性にいただきますと言いながらピザを頬張っていた。男性は「急に頼んだから誰も来なかったら……と思ったけど良かった」とにこにこ笑っていた。ごちそうしてもらったのはこちらの方なのになんて嬉しそうに笑うのだろうと思った。

仕事を終えて外に出たら風がぴゅうっと吹いてマフラーの先がひらひら泳いだ。頬はひんやりしたけれど私は温かいままだった。