読んでいた本に出てくるきょうだいの性格描写の部分に納得していたら、なんとなく兄の顔が浮かんだ。
私と兄はおそらく仲は悪くないと思う。これといった喧嘩をしたこともなく、嫌な言葉を投げられたこともない。だが、私達は本当にお互い連絡を取り合わない。私達は私が帰省する盆と正月に顔を合わせる程度であり、場合によってはそれさえもすれ違いで会わなかったりする。異性のきょうだいだからなのか?と思ったこともあるが、どうやら異性のきょうだいであっても連絡を取り合っている人達はいるようだ。
ただ、そうであっても私は仲が悪いと思ったことはない。
こないだ帰省した際に兄の妻(年下だけど義姉)と話をしていて「あ、えこさんの話、(兄から)よく聞きますよ」と言われた。なんだ、なんだ!兄は私の何を話しているんだ?とびくびくしながら尋ねたら、私が絵本を大好きであることや何でも頑張ってしまうことなどを話していると義姉は言った。私は絵本が好きだけど、兄の目に映るほど絵本好きに見えていた驚きと悪意のない話っぷりが想像出来て笑ってしまった。
思えば、兄は気が小さいのに人から頼まれると何でも引き受けてやろうとして「どうしよう!」といっぱいいっぱいになることが多い人だった。見かねて手伝いをすると、遠慮なく手伝わされて私が「どうしよう!」となることもあったが、そうであっても感謝をいつもしてくれたので気にはならなかった。兄の手伝いをするうちに私も知らず知らず身につけたスキルがあってあとから思えば良かったと思っている。
こないだ、兄に頼み事をした。1度で終わるかわからないことであったため、遠慮がちにお願いしたら「何度でも手伝うからいつでも言って」と言われた。これほど頼もしい言葉をすぐに返してもらえたことは心強かった。
いつもおちゃらけているような人だが、私の信頼できる人のひとりであることは間違いない。
盆にまた会えるかな。
そうそう、正月に帰省した際に私はこども達を連れて出掛けた帰りに回転寿司に寄った。私はなんとなく(本当になんとなく)その回転寿司に兄家族がいるような気がした。それをこども達に話すと「そんなの、いるわけないじゃん!だってピンポイントで会える?」と散々言われ、店に入り席に向かった。先に歩いていた息子が一瞬止まり、「いる!」と笑いだした。なんと、私達の席の隣で兄家族が寿司を食べていたのだ。
私は「ほらっ!いるじゃん!」と言ってはみたけど、自分!すごい!と思っていた。
そういう役に立つのかわからない能力ってあるよね。
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『月白青船山』を読んだ。
ミステリーとファンタジーとノスタルジーがいっぺんに味わえるような話であっという間に読み終えてしまった。
とても面白かったです!