バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

20200119

空が赤くなり始めた夕方に車で幹線道路を走っていた。雑木林が続く退屈な景色に突然ぽっかりと草原があらわれた。

草原には柑橘系、おそらく夏みかんと思われる実をつけた木が1本立っていた。隣に畑があるわけでもなく、どうやってそこにたどり着くかもわからないような場所にぽつんと立っている夏みかんの実はどこか寂しげに見えた。誰かにもぎ取ってもらうこともなく、ただ実を結んでぽとんと落とすことを繰り返す可能性が高い夏みかんを想像してしまったため、寂しげに見えたのかもしれない。

だが、考えてみれば、地に落ちるのは自然なことであり、なにも寂しくはないなと思い直した。

誰かの手に包まれてもぎ取られた実と、熟してその時期を全うし、地に落ちる実にはなんの差もないのだ。

正しさも豊かさもすべて自分の指標ではかっても良いのかもしれない。私は何を気にしているのだろう。

 

前を走る車がブレーキを踏んだ。

赤く灯ったブレーキランプが消えたとき、一瞬だが世界がモノクロに見えた。