9月16日から10月12日までの期間、四日市のメリーゴーランドで名古屋のシマウマ書房による古本展示販売が行われていた。こちらの展示販売は途中で入れ替えもあったりしてとても楽しく買い物をさせてもらった。
そして、展示販売だけではなくメリーゴーランド店主の増田さん×シマウマ書房店主の鈴木さんのトークイベントがあると知り、すぐに予約を入れた。
トークは私が想像していた以上に楽しく、新しい風を運んできてくれるような内容の数々だった。
せっかくなので、私の備忘録用に文章を書いておこうと思う。
話のメインはふたりがお薦めする本だった。
「ギルガメッシュ叙事詩」がアニメの影響で最近また置かれている話(粘土板最強!)、カングズバーグやウルフ・スタルクの児童文学作品は良いよねって話、シュナックの「蝶の生活」のように、作者のそのものに対する愛が溢れているものはやっぱり面白いよねって話(そこからの鳥が好きで鳥を描き続けた小林重三の話も面白かった!)、辻征夫の詩の話など、芋づるのように話がぽんぽん出てくるので「次は何?何が出る?」と手品でも見ているかのようなわくわく感を持ち続けたまま、気づいたら90分が経過していた。
もちろん、本の紹介だけでなく本に対する姿勢なども興味深かった。シマウマ書房の鈴木さんが仰った「期が熟す」が今の私にはとても響いた。読んではみたものの、よくわからない本を何度も読むうちに自分の中に落とし込める時がくる。また、子どもの頃は子ども目線で感じ取っていたものが、大人になって読むと大人目線になり、違う風景が見えてくる。そうだな、そうだよな、と思いながらもう一度児童文学をゆっくり読んでみたくなった。
そもそも本には子ども用や大人用など存在しないのだから、ふと、手に取ったときがタイミングなのかもしれないと思った。
「無駄な時間がなければ文学は成立しない」
その言葉は私の心を軽くしてくれた。
無駄や余白は必要なのだ。
シマウマ書房便箋。かわいい。
シマウマ書房さん展示販売の中からこちらを購入。
『ゆげ』
1979年の「かがくのとも」なのだが、とても写真が良い。モノクロで表現されるゆげの動き、人物の表情、当時を感じさせる道具の数々、どこから見ても良い絵本だと思う。
何かに参加したり、体験することによって得られる感情は計り知れない。
これからはもう少し積極的に動きたいと思えた。にこにこ笑いながら……ね。