あめふり。
玄関のドアを開け、車まで急ぎ足で歩く。モカ色のパーカーはぽたぽた水玉模様に変わっていく。車に乗り込んで運転席に座り、頭を触ってみると湿っていた。頭のてっぺんから足の先にだんだんひんやりとした感覚が広がっていくような気がした。
ほんの少し前までは雨に濡れても「涼しいし、すぐ乾くからいいや」とか思っていたのに。
寒さは急にやってくる。断りもなしに。
買い物をすませたあとは、雨音を聞きながらずっと本を読んでいた。
ふと、雨音が変わった。不思議に思い、窓から覗いてみると近くにトラックが止まっていた。音がするとこんなささやかなことに気がつく。本能で聞き分けているのかも知れないけれど。
そういえば、高校生の頃、バレー部の顧問に「おまえは野生の勘で動いていることがある。だから、野生の勘で動いたときのスパイクは誰にも止められない」と言われたことがある。
野生の勘で動くとき。
それはレシーブが乱れ、セッターにボールがかえらず、私が二段トスを上げようとボールの下に入ったとき。
私はトスをする気持ち100%で構える。なのに、「今、いける!」と思う一瞬がくることがあったのだ。思ったときにはすでに私はジャンプをしてスパイクの体勢に入っており、相手のブロックも間に合わず、決まることがほとんどだった。
ブロックが間に合うわけないと思った。だって、スパイクを打ってる私だって直前までわからないのだから。
いつもそれが不思議だったが、顧問の「野生の勘」という言葉でなんとなく「そうかも?」と納得した。
勘は大事にしようと、あの頃からずっと思ってる。
違和感を感じたら、できるだけ放置しないことはわりと大事なんじゃないかな。
時々聴きたくなる。
歌詞がかわいくって切なくて、とても素敵なラブレター。
まあ、無駄なことなんてきっとないのでしょう
こんな調子でなんとかやってゆきましょう