昨年末頃から欠かさずTBSラジオ『アフター6ジャンクション』を聴いている(主にSpotifyで)。
元々サブカルチャーは好物だけど、この番組を聴き始めたことで大好物になってきている。良いこと、良いこと。
言葉は聞いたことあるけれど、深くは知らないことの数々を学び、感心し、明日への私につなげるってサイコー。それもゆるく!あくまでもゆるく!
このラジオ番組に「STAND BY ミーミーちゃん」というコーナーがある。簡単に説明すると、リスナーが自分の「ライナス毛布」について語るのだ。その対象との出会い、過ごし方、別れ方、それぞれにドラマがあり、面白くて切ない。
今日はココに息子の「STAND BY ミーミーちゃん」の話を書くことにする。
これは語りたい。
語らせてくれ。
いや、聞きたくなくても聞いておくれ。
***
息子が乳児だった頃。
私の実家へ行った時に息子が眠ってしまい、母がお花柄のタオルケットに息子を包んで「このまま帰りなさい」と帰してくれた。
その「お花柄のタオルケット」こそが息子のライナスの毛布である。私たちはそのまま「お花のタオルケット」と呼び、息子は今日に至るまで「お花のタオルケット」ととも眠りにつく。
「お花のタオルケット」はお昼寝時にも使用されるため、私が帰宅したとき、リビングにデロデロ広がって落ちていることも少なくない。端は擦りきれてやや破れているため、糸がでろりとしていても引っ張ってはいけない。ただ、息子はこの「お花のタオルケット」を洗わせてくれるため、そんなに小汚ない感じではないのが救いである。
もう15年以上、共に暮らしている「お花のタオルケット」を息子は顔の上にかけて眠る。息子が小学生の頃、さすがに新しいタオルケットに替えようと思い、息子にドット柄のタオルケットを与えたことがある。息子は嫌がる様子もなく、ドット柄のタオルケットを手にし、顔の横において眠る体勢に入った。
「やった!新しいタオルケットを気に入ってくれた!お花のタオルケットは卒業だ!」
そう思ったのも束の間、息子はドット柄のタオルケットを顔の横に置き、さらにお花のタオルケットを顔にかけた。
そう、お花からドットに上書きした訳ではなく、ライナスの毛布が2枚に増えたのだ。
それ以降、息子は2枚のタオルケット共にともに眠るようになった。お花のタオルケットは相変わらず顔にかけて。ドット柄のタオルケットは体にミイラのように巻きつけるようになっていた。
数年前、さすがにくたびれてきた「お花のタオルケット」をどうにかしようと考えながら帰省したとき、私の実家に息子が大事にしている「お花のタオルケット」の色違いがあるのを発見した。
「こ、これは!」
お宝を発見した気分で、すぐに息子に見せた。息子は私の母と交渉し、「お花のタオルケット 色違いVer.」を手に入れることに成功した。
これで何かが変わるかもしれない。
私はワクワクしながら、帰宅後、世紀の一瞬を見逃すまいと眠りについた息子に目を向けた。
そこには「お花のタオルケット」を顔にかけ、「ドット柄のタオルケット」を体に巻き、その上にファサァと「お花のタオルケット 色違いVer.」をかけている息子の姿があった。
そう、ライナスの毛布が3枚に増えたのだ。
もはや笑うしかなかった。
現在、「お母さん、タオルケット洗ってー」と一気に3枚のタオルケットを持ってくる息子。
「なんで3枚やねん!洗濯が大変になっただけやん!」
文句を言うと
「だって全部必要だから」
と答える会話を繰り返している。
最近は息子が洗濯機を扱えるようになったので自分でタオルケットたちを洗濯することもあるため、私は生暖かく見守っている。
これ、いつかさよならくるの?
一気に?
それとも1枚ずつ?
お楽しみはとっておこう。
どんな結末を迎えるのか、はたまた生涯を共にするのかはお天道様だけが知っているのかもしれない。
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