一昨日、三重県立美術館で開催されている『ミケル・バルセロ展』へ行った。
ミケル・バルセロはスペインの人で現代を代表するアーティストのひとりだ。
平日であることと、会期が約2ヶ月ある展示が始まったばかりであることが功を奏したのかとても空いていて一部屋を貸しきりのような状態で過ごすことが出来た。
私はミケル・バルセロに詳しいわけではなく、チラシのダイナミックな絵に惹かれ、観に行くことにしただけであったが、実際に作品を目の当たりにし、大正解どころではない!と興奮した。
はみ出るほどのダイナミックな作品はさまざまな素材やシワにより凹凸があるため、真正面からではなく、横から眺める楽しみもあった。右から正面、そして左へ……と視点を変えながら眺める。近くで立体感や素材(繊維だけでなく、ハケが貼りついているようなものもあった)をじっくり眺めたのち、徐々に後退し、少し引いた状態で眺めるのも良かった。
どんな角度で眺めても新しい発見と心に迫ってくるものがあり「すげぇ……」と、声がもれてしまった。
鮮やかな作品もすごかったのだが、絵の具を脱色して描くブリーチ・ペインティングも素晴らしかった。ブリーチ・ペインティングは描いているその時はどんな仕上がりになるかわからないらしい。時間が経過することで色がぬけて、絵があらわれる。その手法で描かれた人物の表情がとても好きだった。その人の心をも映してしまっているようだった。
ある事情から絵を描けなかった時には彫刻や陶芸を作っていたらしい。魚の顔が模してあるものがまぬけで可愛らしかった。
ライブペインティングの映像が流れているところで足を止め、最後まで釘付けになった。(およそ7分)
おじさん(失礼!)2人が粘土の壁を前にして行うライブパフォーマンスの映像、とても良かった。被ってるのも良い!
地球温暖化について訴える作品や、昨年に描かれたノートには防護服を着た人物の絵もあった。
とにかく多彩で飽きることのない展示だった。
私に何か作り出せるかわからないが、何かをしてみたい気分になった。
単純に気分が上がった!
開催されているあいだに、もう1度行きたい。
時間をおいて鑑賞すれば、また違った何かをもらえそうな気がした。
会期が長いですし、お近くの方、ぜひどうぞ。
おそらくたぶん絶対楽しめると思います!