家にマグカップが3つある。どこかでもらったショップ名が入っているものと、やはり何かでもらったスヌーピーのものと、もう1つは私が昔、ディックブルーナ展で購入した「ブラックベア」のものだ。
ブラックベアのマグカップは気に入って使っているけれど、その他はあるから使っている感じで、引っ越した当初から落ち着いた雰囲気のマグカップが欲しいなと思っていた。マグカップはあまり壊れることがないし、今すぐ必要なものではないので、惰性で買うのはやめて「これ!」っと私が感じたときに買うと決めていた。
そしてようやくマグカップを購入した。
4色置いてあったが、私は赤と緑を選んだ。どちらも深い色味で気に入ったのだった。色と雰囲気が気に入って購入したのだが、使ってみると縁の部分がぽってりしているため、口当たりがよくとても気に入った。そうだ、私はこういうものを求めていたのだ。
引っ越しをしてからすでに3年が経過していた。
緊急を要しないけれど出会ったら欲しいものをいつも頭の引き出しに仕舞っている。ぶらぶら買い物をしているときに引き出しを少し開けて、幾つかの欲しいものとマッチングするものを探している。慌てることはない。神経衰弱のような、絵合わせのようなそういう類いの遊びだ。だいぶ近いものでも、何かしらの違和感があるときには購入しない。
だって絵が合っていないじゃない。
けれど、何度か同じものを眺めているうちに、やはりコレなのかもしれないと思うこともある。初対面の印象はそこまでじゃないけれど、何度か顔を合わせているうちに良さがわかるような感覚。
今までの私は何を見ていたのかと頭をかきむしりたくなるけれど、これは何度か見てきたから理解できたのだと思う。
深みや味わいや愛らしさ。
そういうものを感じながら、またキミとアナタと過ごしていきたい。