去年の暮れに街でマフラーを落とした。
ひと休みしていたカフェでマフラーがないことに気がつきハッとしたのだ。そのあと思ったのは、マフラーを無くしてしまった焦りよりも、そのマフラーを誰かが踏んで滑ったりしないかだった。私が引き起こした物事で他者に不利益が被ることをいちばんに考えてしまうのは、もはやクセのようなものとしか言いようがない。優しいわけでもなく、ただ、気が小さいだけかも知れない。
そのマフラーはニつ所持しているマフラーのうち、ニ番手だったのがまだ救いであった。一番気に入っているマフラーであったなら、必死に探していたかもしれない。とはいえ、そのマフラーも気に入っていたのでショックだった。
そんな出来事があったため、手持ちのマフラーが一つになってしまった。着ている洋服とのコーディネートの関係でマフラー一つでは少々不便なので、新しいマフラーを購入することにした。
手持ちのマフラーが赤色ベースであることをふまえ、今回は白色を第一希望として探した。だが、なかなか気に入ったマフラーに出会えず、雑貨店、衣料品店、ショッピングモールを何往復もする羽目になった。ピンとくる感覚がないと購入する気がおきないし、何年も使うつもりなので妥協もしたくない。だんだん疲れてきたが、いろんなマフラーをみているうちに、今の流行りをなんとなく感じて今度は面白くなってきた。眺めているうちに白にこだわるのはやめることにした。私が持っているアウターの色や普段着ている服の傾向を思い出し、使い勝手が良さそうなものであることを条件に設定し直したのだ。
それから数十分後、気に入るマフラーを見つけて購入した。

オリーブ色ベースのグレンチェックマフラー。
手持ちのアウターがブラウン、カーキ、ベージュなのでおそらくこれがベストだと思った。裏地(というか、リバーシブルで使えるらしい)が朱色のため、フリンジ部分がオリーブ×朱色になっているのも差し色になって良い。まだ使用していないが、使うのが楽しみでしかたない。
このマフラーが新年最初の買い物だった。
良いスタートが切れたような気がした。