ガマの穂のイカダには乗れないけれど

夕暮れの空はグラデーションがかった赤い色で、そこに流れるようなラインの白い雲が大きく広がっていた。 その雲は羽を広げた白鷺のようだった。 小学生の時、国語の授業で「くじらぐも」を読んだことがあった。あの時はくじらぐもに乗りたくて乗りたくて、毎日空を眺めていたように思う。学校帰りに友達と空を指差し、「…