バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

20191118 ~準備

何日か書くことをサボっていたらどこから書いて良いのかわからなくなった。この間に一箱古本市に出店し、寺尾紗穂さんのライブへ行き、行きたかった雑貨屋poeにも行き、本の会にも参加した。

こたつを出して暖かさを感じ、私が2週間前に購入したゴジュウカラの置物に息子が今頃気づいて笑った。

「この鳥、いつからいた?」

「え?前に部屋に入ってきちゃった鳥の剥製だよ」

顔色を変えずに鳥の剥製と言った娘が面白かった。私も「そうそう!」と乗っかってみたけれど、それだけで部屋の空気がオレンジ色になった。

日が暮れるのが早くなり、カーテンを閉める時間も早くなった。

外との隔たりを思ったら途端に寂しくなった。

広げた手に見えない宝石を乗せる。

目を瞑り、ぎゅっと握りしめる。

ひとつ。またひとつ。

手から落としてしまった何かは忘れてしまおう。

今、ぎゅっと握りしめているモノを落とさないように大事にしよう。

 

***


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石井睦美さんの『愛しいひとにさよならを言う』を読んだ。

いまでもチチのことを考える。

 授業が始まる直前の教室のざわめきが途切れる一瞬や、授業が終わって帰る電車のなかで、わたしはチチを思い出す。

冒頭で語られるチチについはずんずん読み進めてもなかなか出てこなくて心配になってしまったけれど、チチのインパクトが強いためなんだなと思った。歳の差がある女性の友情、親子の関係、出会いも別れも存分に味わえる切なくて心がきゅっとするお話だった。私は好き。それだけははっきりと言える。

表紙が酒井駒子さんのイラストだという理由だけで手に取ったけれど良いものを読んだ。

 

まだ積んでる本もあるし、本の会で興味を持った本もある。

長くなる夜への準備はできている。

心も体も少しずつ元気を取り戻しながら、また新しい出会いに期待しようと思った。

 

 

愛しいひとにさよならを言う (中公文庫)
 

 

20191106 ~明日へ

朝。眠ったままの頭で重い体をなんとか動かし、洗濯物を干そうとベランダへ出た。

寒い。私が思っていた以上の冷気が体に纏わりついてきてぶるっと震えた。吐き出した息は白く、時間とともに空気中に消えていった。

私は季節の中で秋が一番好きなのだが、今年は雨が多かったために私が好きな秋があまりにも短かったように感じている。ただ短かっただけではなく、私が秋探しを怠ったのも要因のひとつだろう。11月に入ったばかりで今年を振り返るのも早すぎるのだが、今年は今日までずっと霧の中を彷徨っているようで視界が開けてくる気配がない。1日をそれなりに楽しく過ごしているので暗いわけではないのだが、どこか気分が晴れなくてもやもやが残るのだ。それは日中にくることもあれば、夜寝る前のこともあるので「なんでもやもやさんはこんなに気まぐれなんでしょうね!」とぶつぶつ言いながら、枕に顔をうずめてみたり、夜道を散歩したりしながら明日への道を探している。

今日も。おそらく明日も。

 

ずっと何かを考えている。考えることを止めたら、生きる意味がないのではないかと思うぐらいに考えている。景色を見て、人と触れ、空気の変化を感じる中で感じたのはあまりにも周りが見えていないという未熟な自分自身の姿だった。

たまには考えるより行動しなくてはいけない。だから今年はもやもやの中にいながらもいつもの私より頑張って行動している。誰一人その変化を感じなかったとしても、私が自分を信じてあげられる力が持てるならそれでいい。

  

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毎日数ページであっても本を読んでいる。 

気持ちがついていかないときは絵本や眺めているだけで楽しめる本を選んでいる。『うつくしい博物画の記録』もそのひとつ。英国の博物館「ウェルカム・コレクション」が集めた博物画の数々が面白くて美しい。序列、コレクション&ディスプレイ、探求&識別、解析、比較の章立てとなっており、それぞれの見方を楽しむこともできる。

帯にはアレクサンダー・フォン・フンボルトの言葉が書かれている。

「最も危険な世界観は、世界を見たことのない人の世界観である。」

世界を見たことのない人なんて言われなくないなって思う。

私が見てきたものは微々たるものであっても、そこから拾い集めたものをまた明日の私に届けていこう。

 

 

うつくしい博物画の記録 しぜんを しるための えほん (しぜんをしるためのえほん)

うつくしい博物画の記録 しぜんを しるための えほん (しぜんをしるためのえほん)

 

 

 

 

 

伊勢河崎一箱古本市 2019

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10月27日、伊勢河崎一箱古本市が行われた。

前回までは友人が出店しているところに自分の箱を少し置かせてもらって販売していたのだが、今回は個人として出店することにした。私の性格上、何の知識もなく出店するのは難しかったと思うので手伝わせてくれた友人にはとても感謝している。

 

さて、「個人で出店しよう!」と決めたは良いものの、屋号をまったく考えていなかった。周りの人に冗談交じりに相談し、子ども達の意見も聞いた。最終的には「古書 夕寝」に決めた。

「夕寝」という言葉が何を意味するかは字を見ればわかるし、使っている人も多いと思うのだが、おそらく夕寝は造語だろう。私が「夕寝」という言葉を覚えたのは子どもが赤ちゃんの頃だったと思う。黄昏泣きを覚えたのと同時くらいに「あらあら、こんな夕方に眠ってしまって困るわよね」という意味で夕寝という言葉を使っている人々を目にするようになった。

「あらあら、こんな夕方に眠ってしまって困るわよね」

「でも、空が赤みがかったこの時間に眠る背徳感がなんとも言えないわよね」

「そうそう、夜が眠れなくなるってわかっていてもね」

 

夕寝の背徳感とそれでもやめられない気持ちよさ。

そういった雰囲気のお店にしたいと思った。

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私のブログを読んで下さっている方ならご存じだと思うが、私は絵本が好きだ。今回、出店するにあたって絵本を並べることだけは決めていた。絵本以外のものも少し並べたが、ほとんどが家にある絵本、私が読んでもらえたら良いなと思う定番の絵本で構成した。

こないだのブログでも触れた「大きな木」の訳違いのものを並べてみた。こちらの気持ちを汲んでくれたのが、説明をしていないにも関わらず訳が違うことに気づいた女性が同時にページをめくって見比べていた。その様子を見ていたご婦人が「あら、私はこの本を持っているけれど表紙が少し違うものもあるのね」と声をかけて下さったので、訳が違う旨をお話ししたら「それならもう一つの方を読んでみたいわ」と興味を持ってくれた。最終的には見比べて読んでくれていた女性が2冊とも購入してくれた。「大きな木」に関わらず、訳が違うと話の雰囲気ががらりと変わる。その面白さを少しだけ伝えられた気がした。

お孫さんと一緒に訪れた女性はお孫さんに絵本を買ってあげると話していた。私は絵本を並べるときにできるだけ幅の広い層に届けられるように考えた。例えば、何歳の女の子だったらこのあたりかな?と想定して並べていたので「どの絵本が4歳のこの子が理解できるかしら?可愛らしいのがいいんだけど」というご要望にもすぐに反応することが出来た。女性がその本を手にすると女の子は「これもほしい」とうんこしりとりを手にしていた。子どもだったら食いつくであろう絵本だ。女性は苦い顔をしながらも両方購入してくれた。

私がお店から離れているときに来た男性が品ぞろえを褒めて下さったとこども達が教えてくれた。

「あのね、この本とかこの本を指して、良い品ぞろえですねって言ってくれてたよ」

男性が指をさしたのは「いたずらきかんしゃちゅうちゅう」「アンジュール」「だるまちゃん」「どろんこハリー」などであったことがわかったので、きっと絵本をよくご存じの人なのだろうと思った。嬉しかった。

今回「アンジュール」は置いたのはなんとなく男性に読んでもらえたらなという思いがあったのだが、その通りに40代くらいの男性が購入してくれたので嬉しかった。

他にもベビーカーを押したご夫婦が「ぞうのボタン」を、面白い話が好きだという女性が「おさるとぼうしうり」を手に取って下さった。杖をついた女性は「三びきのこぶた」を見て懐かしい、絵本は良いわねと笑って下さった。

届けたい人に届けられることは喜びでしかなかった。

 
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他の方のお店も見て回った。

どのお店もその人らしさ、カラーが出ていて楽しかった。

きっと届けたい人に届くだろう。


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 本を見ながら川沿いを歩く。

それだけで気持ちが良い。

大きく息を吸って吐く。

川沿いで演奏されている音楽に耳を澄ませた。


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楽しくて嬉しい。

そういった感情が溢れていたのは事実だけれど、私は小心者なのでずっと緊張もしていた。そのため、販売しているあいだに飲み物はたくさん飲んだけれどお腹がまったく空かず、気づいたらほとんど食べていなかった。

私のお腹を満たしていたのはいったい何だったのだろう。

緊張感だけだったのだろうか。

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蔵の並ぶ町並みで楽しいイベントに参加出来て良かった。こないだSUUMOタウンに寄稿させて頂いたので企画者である皇學館大學の岡野先生と古本屋ぽらんさんにご挨拶をした。岡野先生に名刺を頂き、ぽらんさんに「色んな人から読んだって言われましたよ」と伺うことができた。

恥ずかしくて嬉しい。

目立つことがあまり好きじゃないので、私が出来ることは限られるだろうけど楽しいひとときを多くの人に知ってもらいたいと願っている。

  

 

 

伊勢河崎一箱古本市で忘れてはいけないのが支えてくれている学生さん達である。荷物を出店ブースまで運んでくれ、お店を離れる時は代わりに店番までしてくれる。

笑顔の絶えない学生さん達を見るのも楽しみのひとつかも知れない。

私がもう手に入れることのできないきらきらが眩しい。

 

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伊勢河崎一箱古本市は私にたくさんの感情を与えてくれた。

 

また、出店したい。

この気持ちがすべてだと思う。