バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

ピンクのウサギ

午前中、部屋の片付けをした。

いらないもの、いるもの。まよってしまうもの。それぞれ考えながら分けていく。
保育園に通っていた頃の息子や娘が私に宛てた手紙が出てきた。封筒から取り出し、便箋を開く。『絵』で表現された手紙。そっと引き出しの中へ戻しておいた。
 
ふと見渡してみると、部屋はそこそこ綺麗になったが、本棚から本が溢れている。
本をもう少し減らさなきゃなぁと思いつつ、もう1つ本棚を買おうかしら?と思っている自分がいる。
 
文庫本は背の高さが同じだから、ピチッと綺麗に整列して並んでいる。
その横で私の大好きな絵本達がデコボコと並んでいる。
 
絵本は本当に色々な大きさがあって、揃えて並べようと思ってもなかなか揃わない。
私が本屋さんで絵本を手にする時、装丁も去ることながら、その本の形に惹かれる時がある。
例えば、縦に35cmもあるから本棚に収まらないよ!って言う本屋さん泣かせの『つきのぼうや』。
空と地上の距離感を表現する上で、この長さは必要だと思う。
本当は立てて置きたいけれど横にして本棚に入れてある。
 
それから扇形の『にじをみつけたあひるのダック』。
なぜ扇形なのか?はタイトルから想像出来ると思う。
 
綺麗な表紙の絵本は飾っても良いなぁとかそんなことを思った。
絵本は手放さないので増えていく一方である。
 
 
久しぶりに母に電話をした。
娘のこと、息子のことを話した。
話を聞き終えた母は「うん。それは私でも同じ行動を取るわね」と言った。ひどく安心した。
 
3月で保育園園長を辞めた母は、ずっと現場主義であった。子どもの行動に関する本や、心理の本、手遊びの本、壁画作りの本などが絵本と一緒に家の本棚に並んでいた。
私は子どもの頃からそんな本をパラパラと読んでいた。
小学生の時はペープサートや手遊びのページが好きだった。
当時、母は幼稚園教諭でクラスの人数分「うさぎさん」を切ったり、夏休みは暑中見舞いを書いたりしていた。
 
「ねぇねぇ、えこ、手伝ってくれない?」
私は学校の図画工作は苦手であったが、そんな母の手伝いは大好きだった。
ピンクの色画用紙をウサギの形に切る。ただひたすら切っていく。1枚1枚をどんな子が手にするのか想像しながら切っていく。
 
「数字の歌」のペープサートを1から10まで作ったこともある。
「すうじの1はなあに?こうばのえんとつ」
そんな「えんとつ」の絵を描いた後、なるべく目立つような色合いで色を塗っていく。色鉛筆で塗る時も濃い色が出るように、ギュ、ギュ、と塗っていく。
「こないだのペープサート、他の先生がほめてたわよ。綺麗に出来てるって」
そう、言われて得意気になったこともある。
 
私が栄養士になり、母と同じ職場で働いていた時、仕事をしている母の顔と職場での評判を知ることが出来た。
働く母は家での顔とほとんど変わらなかった。そして職場での評判がとにかく良かった。
失敗もするし、忘れ物は多いし(私が忘れ物を届けたことがある)、笑ってごまかす事もある人だけど、常に前を向いていた。
 
そして、きっと仕事を退いた今もそうなのであろう。
 
「もう!たまにしか連絡してこないんだから。何かあったらもっと連絡してきなさい」
 
その言葉は私に向けられたもの。
私が子どものままで居て良い時間。
 
母は偉大だ。
 
そんなことを思った娘の誕生日。
 
誕生日、おめでとう。健やかに成長して下さい。 

 

 

つきのぼうや (世界傑作絵本シリーズ・デンマークの絵本)

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にじをみつけたあひるのダック (主婦の友はじめてブックシリーズ)

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