バンビのあくび

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表紙の可愛さを見事に裏切る『おはなしして子ちゃん』を読みました。

『おはなしして子ちゃん』を読みました。

 

おはなしして子ちゃん

おはなしして子ちゃん

 

 

なんて可愛らしい表紙でしょう。

私、緑色好きですし、素敵な表紙だな〜と思って図書館から借りてきたんです。
タイトルもなんだか可愛らしいですもんね。
 
どれどれ…と読み始めたところ「おっと、これは表紙と内容がだいぶ違うやんけ!」と最初の2ページぐらいで気づきました。
 
10の短編なんですが、どれも不思議でちょっとコワイです。
 
表題作『おはなしして子ちゃん』はタイトルだけだと可愛い女の子がお話を聞きたいのかしら?とか思っちゃっていたんですけど、お話をせがんでいたのは全然違うモノでした。
ホルマリン漬けやら内臓やら裂かれたとかそんな言葉が並びます。
そう言えば、小学校の理科室は必ずと言って良いほどカエルなんかのホルマリン漬けがありますが、全く授業で使った覚えがないんですけど、アレは何のためにあるのでしょうかね?
小学校って解剖しましたっけ?記憶が遠過ぎて忘れてしまいました。
 
ピエタとトランジ』は良いですね。こういう女の子の関係は私は好きです。全然内容は違いますけど、柚木麻子『終点のあの子』に入ってる「ふたりでいるのに無言で読書」を思い出しました。
常にベッタリは苦手なんで必要な時にちゃんとそこにいるって言うか、そんな位置関係はたまらないですね。トランジの特異体質はキツイなーとは思いますけど話としては面白かったです。
 
それから『アイデンティティ』なんですけど、読み始めた時は「これ、ちょっと苦手かも?」と思ったんですね。けれど、読み進めるうちに「あれ?アリかもしれないな」と思えてきました。
奇妙なんだけれども話の筋が見えたみたいな感覚でした。
 
最後のこの部分は好きです。
 
「生きていると、ときに自分の像を押し付けられることがある。また、自分が理想の自分とはまったく違うものに成り果ててしまうこともある。しかし、人生でいちばん大切なのは、ありのままの自分を受け入れてくれるパートナーに出会うことだ。そして、自分自身でもありのままの自分を受け入れること。それが死骸であれ、ゴミであれ、なんであれ」
 
アナ雪が絶好調の今、これを読むと思わず「ありの〜ままの〜♪」って歌いたくなりますね!
 
 
『美人は気合い』は内容じゃなくてただ言いたいんですけど、私、「曼珠沙華」って言葉が好きなんです。土手に咲いているのを見た時、みんなが「彼岸花だ〜!」と言っても私だけは「曼珠沙華だ〜!」って言ってしまうくらいその響きが好きです。そんな言葉のこだわりってありますよね。
この辺りだと皆が「上靴」と呼ぶのですが、私は頑なに「上履き」と呼ぶとかそんなのです。
だ、だって、アレは「うわばき」だもん!隠されたことある上履きだもん!(笑)
何にも思ってない人に好意を抱かれて隠された上履き…小学生ってアホやな!ってのを思い出しました。。
 
 
『ある遅読症患者の手記』は終わり方がコワイですね。ゾゾゾッ!
 
 
全体としてはどれも毒があり、こわくて面白かったです。
グロい表現がある部分もあるので、苦手な方はやめた方が良いかもしれません。
 
私はキレイなものの裏にはキタナイ部分もあると思っているので、そう言った意味ではオススメですよ☆
 
 
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この本も好きです。
 
 
私が小学生の時の話です。いじめに関する話がありましたので、こんなこともありましたってことで。