
家に障子戸がある部屋がある。
昨年まで夫の祖母が使用していたこの部屋の障子戸は、他の部屋との間仕切り部分としてあるのではなく、和室とその外にある縁側を仕切るためにあるようだ。
「縁側」と言ってもその外にはサッシ戸がついているので、正式にそう呼ぶのかわからない。
要は和室部屋の窓の方に少しばかりの板間があると言えば想像がつくと思う。
長いこと祖母が使用していたので、あまりその部屋に入ることはなかったのだが、今は部屋の整理を終えたため、ボヤッとその部屋で本を読んだりしている。
障子戸は外からは見えないのに、部屋に適度な明かりが差し込むのが良い。そして、その明かりは1枚の白い紙を通しているせいか柔らかくあたたかい。
眩しさもなく、それでいて朝を知らせる光が入ってくるとはなんと優れているのだろうか!と感心しきりである。
今日もその部屋で本を読んでいたら、ふと障子が少しばかりズレていることに気づいた。
「はて?」
そう思い、障子戸の真ん中に手をかけてみると、カタンと音がして障子のズレがなくなった。
「ああ、これは障子戸の下部分が可動する「猫間障子」なんだ!」とその時に気づいた。
「猫間障子」とは障子戸の下部分にガラスがはめ込まれていて、下部の障子を上にスゥとあげられるモノを指す。元々はガラスがはめ込まれておらず、猫が出入り出来るようになっていたためその名が付いているらしい。
そこから猫が顔を出す可愛い姿を想像して見たのだが、そんなことはお構いなしにテクテク歩く猫しか想像することが出来なかった。
障子戸は、その格子を眺めるのも楽しみの1つで、規則正しい形に引っ張られて気持ちが引き締まる時がある。
ゆるい曲線も好きだけど、直線も好きだ。どちらもそれぞれに味わい深い。
ゆるい時にはゆるく、カチッとしたい時にはカチカチ行こうって思えればそれでいいのだと思う。
どうやら今日はカチカチしたい気分だったようで、こんな服を買ってきた。

ギンガムチェック。格子柄。
久しぶりのギンガムチェック。
障子戸のようにやわらかくあたたかい何かが出せるように。
そう思って着れば少しだけ優しくなれる気がするんだよ。
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本当はね、自分が着るよりもギンガムチェックのシャツを着ている男性が大好きなんですー!(笑)
もうみんな、ギンガムチェックを着たら良いよ☆