バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

2018.7.11

梅雨があけたとたんに蝉の鳴き声が聞こえる。

蝉はどこで梅雨明けを知ったのだろうか。

気温がぐんぐん上昇し、空気が波打っていると思えるぐらい停滞している。呼吸が苦しく、首に伝う汗が気持ち悪い。

長くなった髪の毛をそのまま下ろしていたら、首の後ろが暑くてどうにも耐えられなく、慌ててその辺にあったゴムで髪の毛を結わえた。

 

車で国道を走っている時、ぴかぴかした田んぼが目に飛び込んできた。すると、急に懐かしいような切ない気持ちでいっぱいになり、鼻がつーんとした。

なぜだろう、なぜだろうと考えていたのだけれど、きっとあの日の夏を思い出してしまったからなのだと思う。

何年も何十年経っても夏が来るたびにふと思い出す。だが、時が経ちすぎて思い出はフィルター越しにしか見えなくなっているように思う。けれど、あの時に感じた思いだけは、夏のにおいと青々とした草と広い空に紐づいて私を少女にしてしまうから困るのだ。

 

 

いつもの何でもない日常の中で、たった数分だけ少女に戻る時間があってもいいのかも知れないけれど。

 

 

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サマーサイダー (文春文庫)

サマーサイダー (文春文庫)

 

 

黒いうさぎのバッグ

日曜日の午前中に雑貨屋へ行った。

店内には客がおらず、お店の人がひとりぽつんといらっしゃった。

店内をゆっくりと歩いてみる。

私は動いているのに空気は動いていないような気がして、ここで時がぴたっと止まるのではないかと思えた。

張りつめているようで、柔らかい布でくるまれているような心地よさがそこにはあった。

静かでなんとも言えない空気は最高の贅沢だと思った。

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 松尾ミユキさんのトートバッグを買った。

鳥と猫とうさぎがあってしばらく悩んだのだけれど、黒いうさぎっていいなと思ってこちらにした。

触るとぼこぼこしていて気持ちがいい。

だからずっと触っている。

 

 

 

しろいうさぎとくろいうさぎ (世界傑作絵本シリーズ)

しろいうさぎとくろいうさぎ (世界傑作絵本シリーズ)

 

 

『おしっこちょっぴりもれたろう』

辛いことや困ったことがあった時、「もしかして今不幸なのは自分だけでは……」などと、そんなことあるはずもないのに思い込んでしまうことがある。苦しい時に周りを見ろ!なんて言われてもなかなか見えてくるものではないと思う。

でも、ゆっくり周りを見渡してみると、みんなちょっぴり困っているのだ。 

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『おしっこちょっぴりもれたろう』を読んだ。

「何度でも口に出して言いたいタイトル」という賞があったら間違いなく、今年のベスト5に入るのではないか思える軽快なタイトル「おしっこちょっぴりもれたろう」。

タイトルと表紙のパンツにちょっぴりおしっこが染みちゃった「もれたろう」が可愛くて思わず手に取り読んでみた。

おしっこちょっぴりもれたろうはおしっこをする前かした後にいつもちょっぴりもれてしまう男の子で、いつもお母さんに怒られてしまう。

けど、もれたろうは前向きだ。

「でも、いいじゃないか。ちょっぴりなんだから。」

「ズボンをはいたらわかんないんだから。」

それにしばらくすると乾くことも知っている。

でも、お母さんにみつかると怒られるから、乾くまで冒険に出るんだ。

実は言わないだけで他にもちょっぴりもれて困っている人(仲間)がいるんじゃないだろうかともれたろうは思いながら町をずんずん進んで行く。

すると、もれたろうのように「ちょっぴりもれて困っている」ではないけれど、みんな「ちょっぴり」なにかしらの困りごとがあることにもれたろうは気づくのだ。

外から見ただけではわからないけれど、それぞれがその人にしかわからない困ったことを持っていると。

もれたろうはそれでも仲間がいないか探す。すると思いがけないところに「ちょっぴりもれたろう」がいたんだ……。

 

…おおっ!

ただ面白可笑しいだけの本だと思ったら、いろんな視点で物事を見ることの大事さに気づかされて驚いた。

息子にいたっては「もしや感動巨編じゃね?」という始末。(そこまでではないとは思う)けれど、ああ、いい絵本だなと素直に思えた。

すらすらと面白可笑しく読むのもいい。

いろんな人がいることに気づきながら読むのもいい。

読後が爽快で愉快になるのもいい。

 

そして、外してはならないのがラストページのお母さんの表情である。

世のお母様方だったらみんなあの表情をするのではないだろうか。

私もきっとしてしまう。あのなんとも言えない表情を……!

ちょっと疲れてたり、気分が落ち込んでいる人にもぜひ読んでもらいたい。

 

みんな「ちょっぴりもれたろう」だから。

明日も楽しく生きていきましょう。

 

おしっこちょっぴりもれたろう

おしっこちょっぴりもれたろう