- 作者: 瀧羽麻子
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2011/06/09
- メディア: 文庫
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瀧羽麻子さんの「株式会社ネバーラ北関東支社」を読みました。
都会で暮らし、仕事や恋に疲れた弥生さんが田舎に移りゆったりと仕事や生活をするお話。
全体的にのんびりムードなのでリラックスできます。
「ネバーラ」は納豆の会社だからという素敵センス。
北関東、納豆・・おそらく関東でも訛りの強いあの県をイメージしてるんでしょうね。
さて、ここからがタイトルの件でございます。
話の中で弥生さんが29歳の誕生日を迎えるのですが、飲み屋の桃子さんが「あら、若いのね」と言うんです。
29歳って若いのか若くないのか微妙な感じしません?
すでに29歳を超えているので私からすれば「若い」ですが
20歳の頃とは違ってもう少し色んなことを経験した年齢だと思うのです。
そこで回想・・私の29歳ってどんなだった?と思った訳です。
・・・!?
いやぁ、思い出した。けっこう目まぐるしい年だったわー。
その頃、埼玉に住んでたんですよ。普通な暮らしっぷり。
ある日、夫が突然「もうこっちにいるの疲れた。実家の方で暮らしたい」と言うじゃないですか!
うわー。地方出身者だからそりゃ、いつかは・・とは思って結婚してますよ?
でももうすこーしおばちゃんになってからと思ってたのに、今デスカ?
一瞬ぐるぐるっと頭を回りましたが、夫は普段全く弱音を吐かないので言い出した時はすでに決まってる時。
勝手に口が「あなたの好きにしたら」とか言ってましたね。。
そんな訳で三重に引っ越したのです。
知らぬ土地、それも関東ではないので文化も色々違ってわからないことばかり。
とりあえず近所を散歩してみたり、情報を集めてみたり。
そして気づいたのです。
次の4月には息子は3歳過ぎているので保育園とか幼稚園とか考えなきゃ!と言うことを。
私の性格上、家にずっといるのはまず不可能なので「仕事を探そう!そんで息子を保育園へ入れよう!」と決断しました。
さてさて仕事探し。子どもがいるし、実家も遠方で頼れるわけもなく、仕事探しは難航。
でもいつかは何かにあたるさ~と思っていた矢先、結婚するまで同居していた祖母が先が長くなさそうだと母から連絡がありました。
私、主婦。「いつまでになるかわかりませんが実家に帰らせて頂きます!」と夫に伝え息子の手を引き実家へ帰りました。
両親が共働きのため、病院へ行ったり、母が病院へ行く時はご飯作ったり洗濯したりの家事を手伝いました。そして実家へ戻ってから2週間後、祖母は息を引き取りました。
諸々の事をこなして家に帰宅。時はすでに2月下旬。
仕事探しが出来なかったので保育園の入園許可は下りませんでした。
はぁ・・どうしよう。なんて途方にくれる時間もなく。
認可園に入れぬのなら、つなぎの無認可園の下調べ。そして仕事探し。
私の勢いにおされてか、次の週にあっさりと仕事ゲット。
さて、保育園問題。
市役所へ電話したら「待機の場合は各園へアポイントをご自分で取ってください」とのこと。電話をかけ始めて2件目の園長先生が「引っ越しの人がいて空きが出ましたよ。明日入園説明会があるから来てください」と!
わおっ、天は私を見離さなかった。
次の日、スキップしながら説明会へ行ったら他の子の名前は印字してあるのに、うちの子だけ手書きだったけ。そりゃそうだ、前日に決まったんだから。
4月の入園式まで息子を無認可園に入れてました。そして3月の中旬頃から働き始めた私の給料はほぼ全額保育園代となりました。。とほほ。
4月に入園してビックリしたこと。クラスの半分以上の親がフルタイムじゃなかったこと。
田舎だから入園審査がゆるいんですね。あんなに頑張った私はなんだったんだ?と泣きそうになりましたが結果オーライなので良しとしました。
その後、仕事に慣れてきた頃。9月に夫の父親が亡くなりました。
親戚の方々に「こっちに帰ってきたからお義父さん喜んでたよ」とか「孝行できるね」とか言われましたが、私達が引っ越して1年もせずにいなくなってしまいました。
「孝行のしたい時分に親はなし」とはまさにこのこと。
そんなこんなで私の29歳は終わっていくのです。
まったく息つくヒマもありませんでした。
毎日が目まぐるしくついていくのがやっと。
でも、その忙しさは遠方に嫁いだ寂しさを忘れさせてくれていたのだと後から気づくのです。
今は平均台の上を両手挙げてバランス取ってる感じでふらふら進んでおります。
でも大丈夫です。運動神経は良い方なので落ちませんから☆
※もしも、もしも、間違って落ちそうになったらテレパシー送るので助けてください。
モールス信号も送っちゃうよ。
ツーツートンツーツ、トンツー、ツーツートンツートン、トンツートンツーツー、ツートンツーツートン☆
『いつの日か あなたは強い心で 本当の笑顔を みつけるはずよ。』