娘が車の窓から空を見上げて言う。
「あの雲に乗ってみたい」
大人になってしまった今はその雲に乗れることが出来ないことぐらいわかっている。
でも私も雲に乗りたいなぁと思っていた頃が間違いなくあったんだ。
きっとふわふわフカフカして埋もれたくなるぐらい気持ちがいいだろう。
そこから眺める景色は人や車はもちろんのこと
高層ビルやスカイツリーだってちっぽけに見えるんだ。
視界が広いからみえるもの。
視界が狭いからみえるもの。
どちらも私には必要でそのことを忘れてはいけない気がする。
とても穏やかでゆったりとした日でも何の音もない瞬間は思ったより短いと思う。
耳を澄まして集中すると、子どものはしゃぐ声、鳥のさえずり、
電車の音、雑踏にかき消されそうな風の音だって聞こえてくる。
せっかく「聞く」という能力を備えているので、色んな音を拾えたらいいなと思う。
人の気持ちは川のように絶えず流れているように思う。
それは穏やかな小川のせせらぎの時もあれば渦を巻くような濁流の時もあるだろう。
どんなに荒い流れ方だとしても時間をかければやがてゆったりとした流れになると思う。
できれば私は魚が心地よく住めるような優しく穏やかな流れの川でいたいと思う。
(努力します!)