バンビのあくび

適度にテキトーに生きたいと思っている平民のブログです。

あの子は待っていてくれない

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毎日、車で通勤しているのだが、私の車についている時計はとってもせっかちらしく時間を合わせても合わせても、ずんずんずんずんと自分勝手に進んでいく。

  「あのさ、ちょっとは持ち主の歩調に合わせてくんない?」

 と優しく話しかけてみたのだが、そんなことはお構いなし。毎日、少しずつ先へ先へ急ぎたがる。

最初のうちは「あんた、勝手に行ったらあかんやん!」と首根っこひっ捕まえて、足並みを揃えるよう調整していたのだが、あまりにも私を置いてけぼりにするもんだからさすがの私も怒った。

普段、あんまり怒らないけど怒った。ぷんぷんした。(子どもにだけヒステリックに怒るってのは内緒)

「よし、そっちがそのつもりならもう捕まえない。行けるところまで行くがいいさ!」と突き放してやった。

でも心の何処かでは思っていた。あの子は優しい子だからどこかで私のコトを待っていてくれるって・・。

それなのに、あの子ったらそんなオトメゴコロも無視して相変わらずずんずんどこどこ進んでいく。

数か月経った頃には私よりも30分ぐらい先へ進んでいた。

車に一緒に乗る子ども達が「あれ?今ってこんな時間だった?」と言ってくるたび「この子、せっかちでね。一人でどこまでも行っちゃうのよ。でも可愛いんだから!いやぁね☆」とフォローまでしてあげていたのに…。 

 

そんな日々を過ごし、あっと言う間に1年が過ぎ去った。

あの子は私の気持ちなど一切気づいていないらしく、さらにさらに進んで行き、私よりも1時間ぐらい先を歩いていた。

・・・。

・・・・・・。

 

もうイヤッ!

もうこんな生活、我慢出来ない!

 

1年間ただ静かに待っていたけれど、もう私から仕掛けるしかなかった。

勢いよくダッシュボードから取説を取り出し、パラパラとめくりながら、ボタンをポチ!ポチ!と押した。

すると先ほどまであんなに前を進んでいたあの子が、私のいる所まで戻ってきてくれたのだ。

しあわせだ。やっと隣を歩けるね。

あなたはいずれまた先へ進んでいくのかも知れないけど、今、この時だけは一緒に進んで行こうねってそう語りかけた。

 

 

 

 

次の日。

 

私が遅刻したのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

そりゃあね、1年間も狂ってたら・・ね(。-_-。)