
車で信号待ちをしている時、横を走って行った電車がなんだかマッチ箱のように見えた。
私が生まれ育った所は田舎過ぎず、都会過ぎず、ごく平凡な郊外の住宅地だったので、走っている電車は最低でも7両編成ぐらいはあったと記憶している。「電車が来たよ」と母が言い、その声に反応して私が振り向くと電車がガタンゴトンと通り過ぎている最中で、走り去っていく後ろ姿をぼーっとしながら見届ける事が出来た。
現在私が住んでいるところにはいくつかの電車が走っていて、その中に1両編成の電車がある。1両となると本当にアッと言う間に通り過ぎていく。私が「電車が来たよ」と娘に言っても「どこどこ?あー、もう行っちゃった」なんてことは良くある風景である。プラレールやNゲージでも思うのだが、電車は連結部があって、カーブでちょいとくねる感じが味わいがあって良い。けれど、1両編成では連結部がないのでそういう訳には行かない。カクカクとした車両がカクカクと動いていく。ワンマン電車もあるのでバスにとても近い雰囲気かも知れないが、乗ってみるとやはり電車で何だか不思議な感じがする。
今日はその1両編成の電車がガタンゴトンと通り過ぎる時に「あ、マッチ箱だ」と不意に思ったのである。
マッチ箱に紐をつけて引っ張ってるような動きに見えたからかも知れない。そんなことをEテレでやっていそうだ。
マッチ箱は素敵な箱だと思う。
中に入っているマッチを箱の横でこすると火がつくなんて、素晴らしい。マッチ売りの少女もビックリである。
それからマッチ箱は様々なデザインがあり、見ていて楽しい。個性がある。
これを見たら更に興味を持ってしまった。
個性があり素敵なマッチ箱。
それと同じように1両編成の電車も個性的で愛着がわく乗り物だよなぁと思ったのだ。

※画像のマッチは確か旧東ドイツものだったと思います。表と裏。