朝から市役所へ向かう。
申請書を書いているとき「この欄には連絡はしないと思いますけど、どなたかご親族の連絡先を記入下さい」と、職員に説明を受けた。私は母の名と住所を記入した。
「ずいぶん、遠いんですね」
職員がやや気の毒そうに呟いた。
やるべきことを終えたので、さあ、きた！とばかりに電車へ飛び乗った。座席に腰かけて本を読んだ。揺れを感じながら本を読む感覚が久しぶりで嬉しくなった。
私が向かったのは名古屋のパルコで開催されていたMOE絵本雑貨店だ。実は最近アンテナをあんまり張り巡らせていなかったせいか、このイベントが開催されていると先週知り、最終日の今日、慌てて行ったのだった。
このイベントは人気絵本作家の島田ゆかさん、ヒグチユウコさん、なかやみわさん、ヨシタケシンスケさん、酒井駒子さん、5人の雑貨店で、眺めていたら欲しくなるものばかりだったため、決めるのが大変だった。その時間、お店には私しかいなかったため、店員さんとたくさんお話をした。問い合わせではヒグチユウコさんがダントツだったらしい。
私はこのイベントが東京で開催されているときから、酒井駒子さんのトートバッグが欲しかった。実物を見てもやっぱり素敵だった。酒井駒子さんが描く可愛らしいけれど、どこか儚げな子どもの絵が大好きで、どれだけでも眺めてしまう。
子どもは可愛らしい存在であるけれど、時には残酷で冷淡だ。大人のように、選ぶほどの言葉を知らないし、困ると泣いたり叫んだりする。酒井駒子さんが描く子どもには、そういった部分が見え隠れしているような気がしている。
名古屋へ行ったので、ついでに本屋さんを回った。学びがないので、今回も本が重くてひいひい言いながら帰ることとなった。
でも、なんだか晴れ晴れして気持ちが良かった。
この曲を夜に聴くと気持ちがいい。
